内容説明
スリーピング・ピル。硬質な輝きを放つこの錠剤が、僕たちを恍惚へと誘うのです。その先にあるのは、いっときの完璧な闇か、それとも永遠の眠りか―。甘くてとろけそうなチョコレート、自らに課した痛みが、美への追求へ駆り立てるピアス…。だれかの愛だけではぐらぐらと不安定な、孤独で崇高な乙女の日常をささえる偏愛アイテムが、物語へと昇華する。単行本未収録の「Notsubo」をボーナストラックとして収録した完全版。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。2000年、書き下ろし小説集『ミシン』で作家デビュー。03年『エミリー』、04年『ロリヰタ。』が2年連続で三島由紀夫賞候補になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りりす
19
あまり思い入れはなかったんだけど、久し振りに通して読んだ。どの話も、主人公の偏愛ないし執着してるものをテーマにしていて、どれも度が過ぎている。出だしから強い執着心を見せられて、短編なので突然終わる。だから、面白いんだけど、嶽本野ばらさんを読む時はこれを最初に読んだら駄目だなーと読んでて思った(前読んだ時も思った気がする)。表題作のスリーピング・ピルの、夢も見ない眠りは、読んでいて、少し憧れる。2015/02/02
天竺牡丹
18
野ばらちゃん初読みには勧められない…お洋服の描写など野ばらちゃんぽくもあるけど何か違うのよ。過去作品を読んで最後の方に読むなら良いと思いました。グロかったりエロかったりの短編集です。2014/04/18
雛子
14
これは…!嫌いじゃない。でも、好きでもない。こんなことを言うとおかしな誤解を生みそうだけど、理解できなくもない世界が広がっている小品集。読むときの精神状態にかなり左右されそうな感じ。『Pierce』を読みながら思い出したのは、いつかのあの日の自分がピアッシングにうっすら持たせた意味、針を貫き通す行為に見出した一瞬の興奮。痛みと快感が癖になった時期がある。どれも軽く倒錯気味な小品だけれど、静かに読めた。ただ『Chocolate Cantata』の娘の語りが読みづらくて、あはは。2013/05/01
アノニマス
12
kindle unlimitedにあった表紙の違うものを読了。 睡眠薬、ピアッシング、チョコレートなどを偏愛する人たちの短編集。dauble dareが一番好き。alice auaa良いよね。ほぼリアルタイムで一度読んでいるのでノスタルジックな気分に浸りながら再読していたら、ラストの野壺が他作品と雰囲気が全然違っていて吃驚した。完全に怪談じゃないか。文庫にも収録されているんだろうか? 2022/02/05
たっきー
11
「幻想小品集」の改題作だと気づかずに読んだ。なので、実質再読。最近の野ばら作よりはゴシック感があって好き。2015/11/29
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