内容説明
宇宙移民者と地球連邦政府の戦争が終結し、束の間の平穏の中にあった地球圏。世界を覆す力を秘める『ラプラスの箱』の開放を巡り、軍産複合体と反政府組織が企てた策謀が新たな戦乱を引き起こしてゆく。謎の少女オードリーを追って戦火の中を走るバナージは、幼き日に別れた父と、純白の巨人兵器“ユニコーン”に出会う―。環境問題、格差社会、行き詰まった資本主義が招来する“あり得る未来”を舞台に、人の革新のドラマが白熱する。
著者等紹介
福井晴敏[フクイハルトシ]
1968年、東京都墨田区生まれ。98年「Twelve Y.O.」で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。99年『亡国のイージス』では第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞を受賞。2002年『終戦のローレライ』では第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作が3本映画化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダージリン
25
あの一年戦争から17年後という設定が絶妙ですね(笑)。ガンダム用語もいっぱいですが、ついて行けてる私・・・昔とった杵柄か?人物造形は福井さんなので、渋いおじさまに期待してしまいます。カーディアスが良かったなあ~再会シーンに涙が。それにしても、ガンダムユニコーンの性能はいきなりすご過ぎませんか?(笑)。2011/03/07
姉勤
23
地球圏の統治体制を転覆する力があると語られる「ラプラスの箱」。それをめぐり、今まで水面下で動いていた幾多の勢力が堰を切った様に行動を開始し、なりふり構わぬ軍事行動によって制御を失った「暴」のもと、スペースコロニーと云う宇宙に浮かんだ「日常」という小世界は、徹底的に破壊される。拡大する戦場は、主人公バナージを逐い、運命に導かれ、超絶な力を秘める一角を備えた白亜のマシンを預かる。交わす言葉少なく別離する、父と思しき人物によって。そしてそのマシンは、かつて戦場の悪魔と呼ばれた「ガンダム」の形(なり)に変身した。2015/02/22
がらは℃
20
「ジェガンを撃墜しまくったクシャトリヤが、ユニコーンに!」という一冊だったが最後に池田秀一の声にすべてを持ってかれたなあ。2010/03/10
佐島楓
18
戦闘シーンに胃がよじれるほど緊張し、再開シーンでは泣きました。本編アニメは見ていないのに、ぬるいいちガンダムファンってだけでこの感情移入度は表現力の勝利でしょう。しかし、二巻目からこんなに入り込んで読んでいて、先が思いやられます。2011/10/03
いりあ
17
福井晴敏の"機動戦士ガンダムUC"第2巻。ガンダムUCが起動するまでの話の展開は、過去のガンダムシリーズのパターンを踏襲しているようですね。原作シリーズへのオマージュと言ったところでしょうか。SF設定やモビルスーツ戦に目が行きがちですが、ガンダムシリーズで忘れちゃいけない親子の葛藤もきちんと描かれていて良かったです。カーディアスとバナージの短い時間の邂逅はぐっときました。ガンダムシリーズの主人公って、両親には恵まれませんね。連邦軍に回収されたガンダムUCとバナージ、オードリーの運命はどうなってしまうのか。2011/04/25