内容説明
県境を守る妖鬼の皐月は、森に漂う“生き物の魂魄”を捕らえることを生業とする“魂追い”の少年・縁と出会う。あるとき、魂魄が漂う“道”に入り込んでしまったことをきっかけに、皐月と相棒の馬・布団の体に変調が!?皐月は縁とともに、変異を食い止める力があるという妖虫・火喰い虫が棲む“火の山”をめざし旅立つことになるが…行く先々で待ち受ける怪異と事件、2人の旅路の行く末は―!?不思議な魅力の妖怪小説、再び。
著者等紹介
田辺青蛙[タナベセイア]
1982年大阪府生まれ。オークランド工科大学卒業。2006年、第4回ビーケーワン怪談大賞で佳作となり、『てのひら怪談』に短編が収録される。08年、第15回日本ホラー小説大賞短編賞を「生き屏風」で受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はらぺこ
51
『生き屏風』の続編。魂追いを生業とする縁が登場。個人的には前作の落書きみたいな表紙が好きやねんけどなぁ。それに皐月のイメージが何か違うねんなぁ・・・。どうせやったらタイトルが『魂追い』やねんから縁が表紙でも良かったん違うかなぁ。 内容は好きやねんけど、所々で分かり難い所があった。「金蜜」と「金糖」は別物?呼び方の違いだけかな? 河童のねねこが好き。次の『皐月鬼』では色々すっきりするんやろか?とりあえず楽しみ。2012/01/14
巨峰
36
前作の好評を受けての三部作化の第2部ということで、全てが解決せずに持ち越しになるのが残念ではあるけど、それなりに楽しく読んだ。妖鬼の皐月は、魂追いの少年と出会うのだが、彼を助けたことで、皐月自身およびその親友ともいえる愛馬の布団の体がおかしくなる。馬の中でこそ安眠できる皐月が馬の中で眠れなくなり、そのことにより長命を得ていた布団の体も弱り始める。そのことを止めるために火の山に皐月と少年は旅立つのだが。旅の途中の村々の描写は好ましい。惜しむらくは、次につなげるためこの冊は終盤の盛り上がりに欠けた点2024/11/22
kishikan
26
前作の「生き屏風」では、不思議さが前面に出すぎて、状況把握が出来ないままなんとなく”ほんわか”とした、ちょっと切ないホラーという感じで読み終えた。今回は、妖鬼の「皐月」と魂追いの少年の「縁」との出会いや、事件をきっかけに「火の山」を目指す旅、そしてその途中での出来事など、物語の展開が広がり、読物としての面白みも加わり満足。みんなが言うように、これがホラーかと問われれば、確かにファンタジーに近いかも。そんなことより、毒々しさがない爽やかな妖気小説として、また読後の余韻を残す連作として面白い。次にも期待!。2011/05/07
カナン
23
…ホラー? 勧善懲悪というか、悪者は取っ捕まえて懲らしめよう、な展開はホラーというより(少々不健全な部分もあるにはあるが)児童書っぽい。しかし数行ごとにころころと変わる視点、強引な場面の切り替えが読み辛いったらない。縁と皐月、どっちがその瞬間の主役なのか、どっちの心理を描きたいのかいまいち理解しにくい。「丁寧な説明どうもありがとうございます」という長台詞も目立つが、その一方で「此処の一行の間に何がどうなったの」というような明らかな描写不足が目立つ。書きたいところだけ書きましたといった雰囲気。2014/01/07
退院した雨巫女。
21
《私‐図書館》皐月鬼が馬の布団と別れて旅をするのが、以外でした。縁もいい子だったなあ。2011/07/12