内容説明
元禄15年師走、世を騒然とさせた赤穂浪士による吉良上野介邸討ち入り。今なお語り継がれる大事件の陰に、もう1つのドラマがあった。人形浄瑠璃作家・近松門左衛門と、赤穂浪士随一の剣の使い手・堀部安兵衛。「あいつは命を懸けて、おのれの意地をしめそうとしているだけだ」。明と暗の狭間で、生と死が交錯する―。近松は筆に、堀部は剣に、おのれの命を賭して、意地を貫いた男たち。新たな「忠臣蔵」を描く長編時代小説。
著者等紹介
火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年、新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て88年『花月秘拳行』でデビュー。2006年に上梓した『天地人』が09年のNHK大河ドラマ原作となり、同作で第13回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
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赤穂浪士の討ち入り前後に時代を設定し、吉良の女婿で「釣りの殿様」と言われた津軽采女(長辻象平/著 「忠臣蔵釣客伝」の主人公でもある)、近松門左衛門、堀部安兵衛、大石内蔵助4人を中心とした物語になっている。剣戟ものが好きな火坂氏が、高田馬場の決闘で名を 馳せた堀部安兵衛が、バッタバッタと敵を斬る様を描きたくて、忠臣蔵を取り上げたのだろうか。最初は、そう思った。 しかし、戦う場面が頻繁に出てくるわけではない。そして近松門左衛門が、安兵衛と同じ頻度で登場してくる。2003/01/24
だっち
0
★★★☆☆2017/03/28