内容説明
フルート奏者の朽木奈緒美は、これから始まる音大時代の仲間との新しい仕事に心を躍らせていた。そんな中、とある場所で謎の変死体が発見されてから、彼女の周辺で奇妙なことが起こり始める。毎夜の悪夢、首なしの白骨、壊れ始める友情、そして怪事件を狂信的に追う刑事…音楽を奏でる若者たちの日常が、一見つながりのない出来事により崩壊の道へ。これは、単なる偶然か!?今、陰謀に操られる、恐怖の舞台劇が幕を開ける。
著者等紹介
神永学[カミナガマナブ]
1974年山梨県生まれ。2003年『赤い隻眼』(文芸社)で本格デビュー。その後、『赤い隻眼』を改題した『心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている』から始まる「八雲」シリーズなどで活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りゅう☆
92
幸せ絶頂の玉木の婚約者は結城の元恋人秋穂。頭のない白骨死体が発見され捜査する石倉警部に好感持てず。プロデューサー相葉により奈緒美、玉木、秋穂らのオーケストラの指揮を結城がすることに。玉木は元恋人同士が気になり秋穂を信じ切れず器の小ささを露呈。ライター野島の口車に乗せられる。一方、奈緒美は心理カウンセラー松崎と悪夢の原因である失われた記憶を探る。皆が抱えてる秘密とは?5年前に起きた事件が繋がった時、制裁が下ったことに同情なし。でも切なさは拭えない。しかも最初からあの人に指揮されてたのね。なるほどなタイトル。2019/10/06
itica
55
これはもう、何が何だか分からないうちに深みにはまって行くような感覚の内容だ。オーケストラのコンダクターが主要人物のひとりではあるが、そのコンダクターの音大時代の友人たちや刑事、謎の男たち全てが怪しげなのである。最終局面は凄惨な事件に発展するが、それよりもエピローグで明かされる真実に、え~!?とか、あぁ~??とか口あんぐりなのである。コンダクターとは指揮者を指すのが一般的だが、今回は導く人、あるいは操る人と訳した方がしっくりくる。 2018/08/15
チアモン
52
このカバーの感じからして怖い。神永氏の作品は好きでたくさん読んでいるが、これまた色々怖い描写も多くあり夜、寝る前に読むと寝付きが悪くなるけれどはまっちゃうんだよなぁ。人間の嫉妬は恐ろしい。ラストはちょっと意外でした。神永氏の作品はこれからも追っていきたい。2020/02/23
GaGa
45
読み進めていくうちにだいたいの仕掛けはよめてしまうのだが、それでも面白かった。視点配分が絶妙で、飽きさせずにぐいぐいと引っ張っていくのは立派。シリーズ化出来そうな気もするが、それを望むには仕掛け多様なスタイルなので酷な話か。「コンダクター」はこれ以上ないタイトル。2011/08/04
かいちゃん
42
4日目くらいからは、ジェットコースターなみの展開に。予想がどんどんくつがえされた。初めて読む作家さんでしたが、なかなか秀逸でした。2019/04/03