内容説明
堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。友人との関係も良好、アルバイトにもやりがいを感じてはいるが、何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしている。そんななか、自室のクローゼットで、前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。興味本位でそのノートを手にする香恵。閉じられたノートが開かれたとき、彼女の平凡な日常は大きく変わりはじめるのだった―。
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年『栄光一途』で第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。05年に『犯人に告ぐ』で第7回大薮春彦賞を受賞し、ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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青葉麒麟
292
映画版を先に観たせいか香恵がこんなに子供っぽい性格だとは思わなかった。一寸身近にいたら、疲れそうだな。万年筆のブランドはモンブランしか知らなかったので、こんなに色んな種類が有るとは驚き。欲しいな。2013/02/25
射手座の天使あきちゃん
284
あれ?、あれ? 雫井さんてこんな作風なんですか? 「犯人に告ぐ」しか読んでなかったので、前の住人が残した「閉ざされたノート」を読み進めると次々と恐ろしい事故や事件が主人公を襲い・・・ ぎゃーーーぁ! と勝手に妄想しておりました <(^_^; 万年筆の薀蓄にはどうしようかと思いましたが(笑) 伊吹先生の日記に励まされる香恵ちゃんを思わず応援しちゃいました (^_^)v2013/05/03
mura_ユル活動
200
文庫本。読メさんの万年筆に関するコメントのやり取りを拝見して、本書を知り拝読しました。今井文具堂で働く、天然?の女性を主人公としたラブストーリーで最後は泣かせます。中途、同じようなことの繰り返しが続き単調になりますが、それが実際の話のようにも感じる部分であり、個人的には嫌ではなかった。私も仕事で万年筆を愛好していますが、ブランド名や製品名が出てきて勉強になりました。途中から万年筆の話が遠ざかってしまったことが残念なこと、万年筆のことをもう少し専門的につっこんだものだと、尚、良かったと思う。2013/11/14
イアン
185
★★★★★★★☆☆☆2007年に映画化された雫井脩介の恋愛小説。大学生の香恵は自室のクローゼットから前の住人が置き忘れたノートを発見し、その持ち主である小学校教師・伊吹に自身を重ね合わせる。やがて明らかとなる切な過ぎる真実とは…。片思いに悩む2人の女性の心情の揺れを巧みにに描いており、その表現力は女流作家と見まがうほど。雫井作品だけどミステリ要素は殆どなく、最大の驚きはあとがきに記された本作誕生の経緯にある。ちなみに映画の主要キャストは沢尻エリカ、伊勢谷友介、竹内結子…。地上波での再放送は難しそうである。2022/01/08
gonta19
178
2011/2/8 Amazonより届く。 2018/12/21〜12/26 7年ものの積読本で、2年ぶりの雫井作品。 映画化もされた作品で、早く読みたかったが、可能な限り時系列順で読む、というマイルールに縛られ、ようやく読むことが出来た。前半部分は趣味の一つである万年筆が重要なテーマになっており、その辺りも楽しめたが、圧巻は後半の畳み掛け。良いオッサンが思わず涙をこぼしそうになった。素晴らしい作品。映画も見てみたい。2018/12/26