内容説明
もし、私の声が母に似ていなかったら、何も起こらなかったかもしれない。でも、そんなことを今さら言ってみても仕方がない。家にかかってきた1本の電話、それは私の心に初めてある疑惑を芽生えさせ、大人の世界に迷い込ませるものだった―。私、沖野瞳。大人と子ども、男と女の間で微妙に揺れる17歳。危ないとわかっていて、大人の真似事をしてしまう…。少女のきらめきと危うさを描いた青春ミステリー。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。76年、「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅子
13
原田知世さんのニュースを見て、本棚の奥からゴソゴソと取り出す。未読の本書。 古い感じはするものの、文章はこの頃の赤川さんが好きかもしれない。 油断していたのでコロっとやられました。2021/06/18
kaze
10
★☆☆ 映画「早春物語」が気に入ったから読んでみたんだけど、駄作であった。えー、これを原作にしてあの映画が出来たの?全然違う話になってるけど。むしろ映画の方がずっと文学的だった。残ってる設定って主人公の名前と年齢と、梶川さんの名前と商社マンってとこと、同級生の事件くらいで。映画の梶川さんは素敵だったけど、こっちは…うーん、瞳がなんで好きになったのかわからんわ(笑)。映画の方には少女から大人になりかかる時期の危うさみたいなものがしっかり描かれていたけれど、この原作からあれを抽出した脚本家がすごいわと思う。2015/12/08
スナフキン
9
昔大好きだった作品。映画も公開初日に観に行って、本物の原田知世を見たのもいい思い出。映画の主題歌は今も頻繁に聴いている。その度にまだ現実の恋愛を知らなかった子どもの頃に引き戻される。 ぐらい思い入れの深い作品だが、今回読み直してみて、ストーリーをかなり失念していることに気づいた。 また、文章の稚拙さも目に付いた。 あれほど大好きだったヒロイン、沖野瞳も最早それほど魅力的だとは思わなかった。 私は知りすぎたのだ。現実の恋の生々しさを。優れた文学作品の数々を。私は自分がもう夢見る少年ではないことを思い知った。2019/12/26
のりのりのり
8
最期の最期までほんっっと気付かない自分。なんというか赤川さんの作品にかかれる死や不倫とか、どこかたんたんと描かれているというか少しクールな感じがある。それがまぁ殺人や死を扱っても読後感を陰惨なものにせずわりと読後感の良さにも繋がっているんだろうけど。いまのところ、何を読んでもそれなりに面白いのは見事!!原田知世さんの表紙の本でよんでいたら、それを見た嫁に(オヤジがなに読んでんだよ~)みたいな顔されちゃった。2016/05/31
ちびめろ
8
【発掘本】未読の本棚からひっぱりだしてきました。この小説自体は30年ほど前に書かれたもの。買ったのも5年前でした。正直、赤川次郎という作家さんをなめてました。想像した以上に面白くてさっくり読めてしまいました。瞳の言動が若干時代掛かって聞こえてしまうのは仕方のない所ですね。大人でもなく、子供でもない17歳という生き物…結局、「大人でもなく、子供でもない。」は「大人でもあり、子供でもある。」ということなんだと思いました。2016/04/16
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- 和書
- 読始 - 有川嘉邦句集