出版社内容情報
あなたの背後に潜む、十の恐怖。荒んだ心を抱えた十六歳の高校生・弓子。彼女が海が見える展望台で出会った、絵に描いたような幸福家族の思いがけない”秘密”とは――。表題作を含む十編を収録したオリジナル短編集。
赤川 次郎[アカガワ ジロウ]
著・文・その他
内容説明
荒んだ心を抱いた16歳の少女は、展望台で出会った家族に、記念写真の撮影を頼まれる。カメラのファインダーに映るのは、幸福を絵に描いたような一家の姿。それは少女が失った家族像でもあった…。苛立ちを募らせる少女。だが、幸せそうな家族は、思いもよらないある決意を胸に秘めていた―(「記念写真」)。背筋が凍るミステリーから、心にしみる人間ドラマまで、さまざまな味わいをもつ10の物語。文庫オリジナル短編集。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年、福岡県生まれ。76年『幽霊列車』で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。作品が映画化されるなど、続々とベストセラーを刊行。「三毛猫ホームズ」シリーズ『ふたり』「天使と悪魔」シリーズ『怪談人恋坂』『幽霊の径』他著書多数。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
85
10の作品からなる短編集。それぞれに読みやすく、哀愁漂うものからホラーまであり、なかなかに楽しめた。掴みが上手いし終わり方にも妙な味わいがある。2017/08/01
キンモクセイ
53
赤川さんの文章はとても読みやすい。「記念写真」タイトルから想像するとほっこり系かと思ったら、そっちだったのか。「窓越しの雪」で出会った女性の彼に目が離せなくなったのは、あの場所で老紳士との出会いも最後まで読むと、あぁ、そうなるのか。「十代最後の日」は、「世にも奇妙な〜」のドラマになりそう。守れると信じていたのに実は...どれもぞくっとさせるか何となくいやな感じを残す読後感だったけど、それが却って面白い。2019/09/07
coco夏ko10角
42
10の作品収録の短編集。著者他の短編集と比べるとブラックなオチやホラーが多め。 表題『記念写真』がよかった。『影の行方』話はすごく印象に残るんだけど、ラストの解釈に迷う…。『十代最後の日』終盤の展開にゾクリ。2016/02/06
まる
31
ほんのり切ない話やぞくりとするような不思議な話などの短編集。サスペンス風の「影の行方」はこのあとどうなるんだろうとドキドキしながら読み進めましたが、結局最後はどういうことだったんだろう? と。一番好きだったのは「窓越しの雪」。どういう結末なのか続きが気になり色々推理しながら読んでいましたが、ラストの切なさが胸に残るものでした。2015/02/08
たかなし
28
全体的にまあまあな感じ。ホラーが多く(というか不穏な感じのが)ぞくぞくっとさせられました。学校、つぶれた?が好きです。2018/11/08