出版社内容情報
大人気、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第2弾!おっさん、空を飛んでみたくはないか? ――鈴木一、47歳。平凡なサラリーマン。大切なものをとりもどす、最高の夏休み! ザ・ゾンビーズ・シリーズ、第2弾!
金城 一紀[カネシロ カズキ]
著・文・その他
岩瀬 聡[イワセ サトシ]
著・文・その他/イラスト
内容説明
鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは―。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは―ザ・ゾンビーズの面々だった!脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる。
著者等紹介
金城一紀[カネシロカズキ]
1968年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
185
落ちこぼれ高校生集団『ザ・ゾンビーズ』シリーズ第2弾です。愛する愛娘が何者かに襲われ、失意にさいなまれ犯人へ復讐しようとするごくごく平凡なサラリーマンがちょっとした機会で『ザ・ゾンビーズ』と知り合うことに。そこで出会ったケンカがめっぽう強い朴の指導を受け、復讐を企て、特訓する姿は「ロッキー」を彷彿させてくれます。アクション映画のみならず、名作からのシーンも引用され、映画ファンも楽しめます。傷つけられた娘を守るために奮闘する主人公の姿に目頭がアツくなり、涙が止まらなくなりました。金城作品サイコーです! 2017/08/13
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
108
★★★★★再読「半径1mの視野の狭さ」その言葉に込められたモノの重さに…命の意味を、生きるという事の意味を問う。果たして人種の壁なんて有るのだろうか…隣の家との垣根に張り出してきた枝に舌を打ちながら、平然とヘイトスピーチを批判する傲慢な私自身。あまりにも強い思いは、何もかもを壊す「過剰な思いや力は、全てを台無しにしちまうかもしんねえぞ」舜臣(スンシン)の言葉が私自身を打ちのめす。家族を、娘を愛する父ちゃんが闘うだけの話しだなんて、舐めてかかると、全部自分に跳ね返ってきて…自分の愚かさが芯から辛い2016/07/30
とら
107
ザ・ゾンビーズシリーズ第二弾。めちゃくちゃ良い。本当に。心から良い小説を読んだと思える。読んでる最中に気づいた。鈴木さんや舜臣、ゾンビーズの連中と同じ感情の動きをしてた自分に。響く言葉が沢山あるんだ!「僕たちは試験問題を解くのが苦手なだけなのにオチコボレって呼ばれてます。僕たちがどんな人間なのかってのは関係ない」「自分の力を過信して何度でも転んで重力を知り尽くして、いつか飼い馴らしてやればいい。そしたら空だって飛べるようになるよ」ほんとイケメンだよお前ら。誇っていいんだ鈴木さん!この時間を過ごしたことを!2012/12/04
hit4papa
101
47歳サラリーマン鈴木のひと夏の冒険譚。落ちこぼれ高校生集団ゾンビーズシリーズ第2弾です。しっくりいかない父娘関係ながら、平々凡々たる日常を過ごしてきた鈴木。突然の悲劇に、試される父としての矜持。ベタなのですが、ベタすぎてがっちりハートを鷲づかみにされてしまいました。単純明快、ど直球の感動を味わえる一冊です。
masa
90
“いくら虚勢をはっても、ひとは誰も目ざめずに、じぶんの夢の外へ出てゆくことはできない” 人生のスタメンたちよ、大切なものを守りたいんだろ?再びじぶんを信じられるように全部壊して生まれ変われ。高いところへは他人によって運ばれてはならない。響くアンニュイなポロネーズ。思想と愛は灰とダイヤモンド。輝きよりも重さを抱きしめろ。痛みを懐かしく思える日がくるまで、逃げるように走れ。全速力でゴールを駆け抜けろ。暴力のデカダンスに屈するな。死を恐れろ。孤独を想像しろ。獣のように怒りと重力を飼いならせ。空だって飛べるから。2019/03/24