内容説明
崩れる街、破裂する人、闊歩する獣人。世界連邦の雄モビィ・ディックは、いま正に壊滅の瀬戸際に立っていた。王女フレイム率いる「蟻の部隊」も弾圧され、最早、戦争大臣の破壊と破滅を止めるものは何もないように見える。…ただ一人、スナークを除いて。スナークは、戦争大臣である弟にもう一度会えるのか?黒き本の呪縛から解き放つことが出来るのか?戦争大臣の死への激情と、世界の生への愛情が激突する。驚愕のラスト。
著者等紹介
遠藤徹[エンドウトオル]
1961年神戸生まれ。東京大学卒、同志社大学言語文化教育研究センター教授。2003年、「姉飼」で第10回日本ホラー小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あぽろ
3
物足りないな〜。角川ホラーとして、残虐描写のためにストーリーがあれこれ詰め込まれて駆け足感があった感じだけど最後はうまく〆たんじゃないかな。世界の厄災を押し付けられて地図から抹消されたJ国…という寒気のする設定だけど、別のストーリーで読んでみたい。2011/06/19
ジャッカル佐崎
1
三部作完結編。アメリカがモチーフの大国「モビィ・ディック」でディズニー風のエレクトリカルパレードと共に大虐殺を行う悪趣味さや、異形の巨大昆虫「原蟲母」の妙に艶めかしい描写などに作者らしさを感じることができるが、読み終えてみれば想像していた通りの無難な結末に落ち着いたといえる。身も蓋もないことを言えば、角川ホラー文庫の転換期において量産された「キャラクター重視・シリーズもの前提のラノベ風ホラー」の中に埋もれる1作でしかない。作者の持ち味を大幅に希釈した結果、読みやすくはなっているが物足りない気はしてしまう。2022/09/09
あも
1
国家Jをウイルスの隔離所とした超大国モビイ・ディック(アメリカ)を徹底的に滅ぼす。寛一は蟲の民や抵抗組織と協力して、国家Jを止めようとする。最後に、シドを操っていた黒幕の正体が明かされ、現実世界に帰る兄弟だったが…3冊読ませておいて、このオチはなかなか好き。2016/03/16
ハナ
1
視点は面白いが、読みながらも先が予想できたのが残念。意外性にかける。もう少し深みが欲しい。2013/03/29
くまっち
1
残虐な描写も『黒い本』の中の出来事だからあんまり辛く無い感じだった。ちゃちゃっと読めて物足りなかった2013/02/15
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