角川文庫<br> ジョーカー・ゲーム

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角川文庫
ジョーカー・ゲーム

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043829064
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく…。吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイ・ミステリー。

著者等紹介

柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年『黄金の灰』でデビュー。同年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞を受賞。09年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

1130
2009年このミス国内第2位。 スタイリッシュなスパイ小説という 書評があったが、まさに 言い得て妙である。 結城中佐が作った帝国陸軍 内の「D機関」。 陸軍中野学校の校風を モデルにした隊員たちの 物事に動じない姿勢が物語に リズムを与える。 「存在してはならない」 スパイと、彼らを束ねる結城 中佐の存在感が緊迫感を 与えて小気味良い。 次はどう意表をついた どういった結末を用意してくれるのか…毎回のミスリードが楽しい、 そんな短編集だった。 2015/02/21

扉のこちら側

666
2018年220冊め。もともとHUMINT作品が好きなので楽しんで読めた。連作短編であり、スパイである彼らの背景は作中で語られることはないが、書かれないとなると余計に気になってしまう。上海を舞台の『魔都』の混沌とした街の雰囲気が好き。続編があるようなので後程読んでいきたい。2018/06/26

ehirano1

490
"スパイは見ない存在"、”とらわれるな”、この2つが作中何度も何度も繰り返されます。特に後者では「何かにとらわれて生きることは容易だ。だが・・・自分自身であることを放棄することだ(p254)」とある一方、「しかし、それは同時にこの世の何ものも信じないこと-愛情や憎しみを取るに足りないものとして切り捨て、・・・・(p271)」とあります。一見矛盾しているようですが、何事も表裏一体であることを考慮すれば納得。結局、開高健の言う「何かを得るためには何かを捨てなきゃならない」ということなんでしょうね。 2016/02/14

zero1

474
日本では珍しい本格スパイ小説。再読でも興味深く読める。時は戦前。D機関と呼ばれるスパイ養成所に集まった男たちは訓練の後、各国で任務を遂行する。創設者は「魔王」と呼ばれる結城中佐。「死ぬな、殺すな」というのは斬新。私は囚われていることが多く反省。ドアに髪の毛を挟むとか、階段は何段あったかなど他の推理小説に出てきた話も紹介されている。天皇制を喝破した部分は時代を考えれば痛快。解説は元外務省分析官の佐藤優。結城のモデルが秋草少将であり、陸軍中野学校をベースにしていると述べている。続きもあるのでいつか紹介したい。2018/11/13

HoneyBear

434
スパイスの効いた短篇集。徹底的に合理性を追求する姿勢が気持ち良い。ただ短編の限界か少し呆気なさも感じた。2014/08/04

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