内容説明
蜀の名将・諸葛孔明とわたりあった司馬仲達は、魏の最高権力者へと上り詰める。同じ頃、邪馬台国の女王卑弥呼が東アジアに足跡を残す。女王国は神武天皇が打ち立てた大和の国と緊張関係にあり、その対立は次第に先鋭化していた。「三国志」から明らかになる初々しい日本外交の姿に焦点を当て、四道将軍やヤマトタケルによる民族の統一を描いた「日本書紀」へとつなぐ。“建国のなぞ”に迫った画期的労作。すべてはここから始まる。
著者等紹介
八木荘司[ヤギソウジ]
1939年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。63年、産経新聞社入社。大阪本社編集局社会部長、同編集長、東京本社論説委員長を経て、編集特別委員。『ソウルに消ゆ』で第5回日本推理サスペンス大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TheWho
17
記紀を核に様々の古代文献から紐解き、古代日本をいきいきと物語る古代史絵巻「古代からの伝言」シリーズの第一巻。神功皇后の三韓征伐からの第二巻と、皇統断絶の危機であった継体天皇の時代の第三巻を先に購入して感銘を受けたので、残りのシリーズを購入。本巻は、三国志で語られる邪馬台国の魏への朝貢から始まり、大和説を下敷きに神武天皇の東征を絡めて壮大な古代世界が浮き彫りにされる。そして大和は邪馬台国と対立した狗奴国であるとの大胆な説で日本建国を語っている。次巻は飛んで聖徳太子の活躍する第4巻。楽しみです。2015/02/03
ハッピーハートの樹
9
再読。ほとんど仮説とは言え、説得力はあるし、三国志とかで時代背景を解説してくれるので、すごく分かりやすいです。邪馬台国や神武天皇の東征、大和朝廷の成り立ちは、これが真実だって信じてしまいます。それぞれの文言は知っていたけれど、神話的なこともあるし、その現実性や関連性なんて考えたことがありませんでした。この本を読んで歴史物語として認識できそうです。/その他、よく知られているように~、などと語られるコラムについて、知らなさ加減には唖然としました。いったい日本史では何を勉強したのだろうと、恥ずかしくなりますね。2014/10/23
Honey
7
考古学的資料解説のような時代小説のような構成。歴史を学ばせてもらったような、ロマンチックなストーリーを楽んだような、不思議な感覚です。 ややすっとばしながら読みましたが、何かの折にはまた読み返せばいいかな、と続編にとりかかりたいと思います♪2016/01/31
ハッピーハートの樹
5
再々読。前には、悠久と言われると神話的なお話で、ある意味で“神”が居た世界の感覚で読んでいました。ここ数年はSF小説を読むことが増えて(どちらも、ほんまでっか的な妄想半分・ホラ半分?)、時間感覚が狂ったこともあり、2000年なんてほんの一瞬なんて感じて。神武天皇も日本武尊も身近じゃんとか不遜なことを思ってしまいます。真偽はさておいて、何らかの戦いはあったんだろうし、邪馬台国が現在の系譜じゃないことも納得できます。少なくとも、近い伝承はあるんだし。こういう記録はちゃんと読んでおきたい。アイデンティティやし?2025/07/24
珈琲好き
4
古代人謀略使いすぎ。/崇神天皇の頃の勢力範囲が信長によく似てるというのはイメージがしやすかった。畿内を制するものは日本を制するんやね。2017/06/18