内容説明
「幸せ」と言って亡くなった真美ちゃん。「命」の詩を書いた由貴奈ちゃん、白血病を克服し医師を目指す盛田君…。こども病院で、病気と闘いながらも前向きに生きるこどもたちと、こどもを支え続ける家族、医師、教師たちの喜びや葛藤を、真摯に綴ったベストセラーの待望の文庫化。全国に感動の輪を広げた奇跡の詩画集『電池が切れるまで』に秘められた真実の物語が、命の輝きを伝える。すべての漢字にふりがな付き。
目次
「幸せ」
「命」
いちばん小さな学校
友だち
「親の思い」
夢
著者等紹介
宮本雅史[ミヤモトマサフミ]
1953年、和歌山県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、産経新聞社入社。93年、ゼネコン汚職事件のスクープで新聞協会賞を受賞。書籍編集者を経て、フリージャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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匠
52
「電池が切れるまで」というのは入院患者の1人の女の子が書いた命を乾電池に例えた詩から由来している。白血病などをはじめとする難病の重症患者が入院する子ども病院を舞台に、亡くなっていった子たち数人と、無事治療を終えて退院し医師や教師を目指している子などの入院時の様子、病院スタッフや家族の想いを描いたノンフィクション。僕自身も子ども時代、似たような病院へ入退院を繰り返しながら何人もの仲間の死を見送った経験があるので、いろいろ思い出しながら読んで胸が詰まったりした。今もこうして生きていることに本当に感謝している。2013/05/15
タルシル📖ヨムノスキー
26
〝電池が切れるまで〟で登場した子供たちと家族、そして先生方の気持ちが痛いほど伝わってくる。子供たちは生きる。生きたいと願う。必死で病とたたかう。残念ながら亡くなってしまった子。完治して自分の夢に向かって歩き始めた子。そしてそれを支えた家族。実は、我が子は小児病院に入院・通院していた時期がある。幸いにも今は元気だが、あの時の病院の光景は、今も忘れられない。あの時の光景を覚えているから、〝児童虐待〟のニュースを見ると、とても腹立たしくなる。自分ももっと真剣に生きなくては。プラス思考で、電池が切れるまで。2019/05/27
たらお
26
かけがえのない命。頭では分かっていても、小さい頃、若い頃のわたしは自分の命のことをどこまで考えられていたのだろうか?と思い返す。きっと、ここに書かれている子たちには敵わない。4年生の子が書いた「命」の詩。この子の生き方(この詩を書いた4ヶ月後に亡くなってしまう)を知るほどに、この詩の重たさに気づく。命の重たさは、大きくなるにつれて、身近に死を感じることで考えることもあるのだろうが、本書から、自分なりに一生懸命に生きることの大切さや院内教育が子どもたちに与えた影響の素晴らしさを感じることができた。2017/08/08
橙夜(とうや)
17
いつだっただろう、小児がんと闘って亡くなった女の子が11歳の時に書いた『命』という詩を読んだのは‥。ズシンと心にきた詩。『電池が切れるまで』の本の子ども病院のお話です。私は、本気で生きてるのか‥と改めて思わせてもらいました。命という電池が切れるまで、生きます。泣きすぎて目が痛いです。2016/10/22
なないろ
11
病気と闘う皆さんは本当に強い気持ちと優しさを持っているんだなと思いました。本人も支える人たちも。その立場に立ったことがないから、気安く気持ちが分かるとはいえないけれど、温かな思いに涙が溢れました。言葉にならない色々な思いが溢れますが、頑張っている子たちがいるんだということを忘れずにいたいと思います。2014/08/22