内容説明
私は初めて目覚まし時計をセットしました。私の不安など知らずに、美音は、早々といびきをかき始めていました。次の日の朝、私はすごい衝撃で目を覚ましました。一瞬何が起こったのかわかりません。目を開けると、私の上に乗った美音が一生懸命ふとんをはいでいるのです。ちゃんと起こしてくれたのです(本文より抜粋)。二十三歳で失聴した著者が、聴導犬・美音と一緒に手探りでつかんだ、涙と笑いと感動の日々。
目次
静寂の世界へ
聞こえない恐怖
そして、運命…
選ばれた1匹の子犬
傷とロープと訓練と
2人5脚の始まり
「私の耳」として
かたくなな入店拒否
聴導犬を知っていますか?
一緒に過ごす病室
安産の神様・美音
3人と1匹の夜
しっぽの生えたベビーシッター
聞こえなかった悲鳴
著者等紹介
松本江理[マツモトエリ]
1969年、東京都生まれ。子どものころにかかった、はしかによる高熱が原因で、進行性感音性難聴と診断され、23歳で完全失聴。病気をかかえながらも、大学で福祉を学び、社会福祉士国家試験に合格。上智大学を卒業後、都庁に勤務する。結婚をきっかけに、1995年より聴導犬使用者となり、さまざまなイベント・講演などで、聴導犬、補助犬の社会参加促進のため活動を続けている。2003年、パートナーの美音とともに、身体障害者補助犬法に基づく正式認定第1号となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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