内容説明
優しく獲物を誘惑しては、首筋に牙をたて甘い鮮血を啜る永却の不死者、吸血鬼。エキゾティックでエロティックなその妖魅は、柴田錬三郎から三島由紀夫まで古今の人気作家たちを魅了してきた。人間輩には及びもつかない耽美と背徳の淫靡な世界を描きつくす、吸血鬼小説アンソロジーの決定版!至高の美、ここに極まる。
著者等紹介
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。『幽』編集長。早稲田大学第一文学部日本文学科卒。82年4月の創刊から2003年7月の終刊まで「幻想文学」編集長を務める傍ら怪奇幻想文学関係の企画・編纂・批評活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
212
日本の文芸評論家、編集者、アンソロジストとして知られる東 雅夫氏による吸血鬼モノ作品による傑作選集。三島由紀夫や江戸川乱歩・城正幸など近代の大家もいれば、吸血鬼モノを書かせたら、絶対外せない菊池秀行・夢枕獏の作品も集録されている。また倉橋由美子や新井元子・梶尾真治など、自分にとってとても懐かしい作家も作品も掲載されていて懐かしかった。16作品によって編まれ、解説は東氏が執筆。吸血鬼に対する興味深い同氏の解説は一読の価値あり――2021/06/14
nuit@積読消化中
116
【オール・ハロウズ・イヴ読書会★第ニ週:吸血鬼(10月11日~10月21日)】【再読】10年ほど前に読んだはずなのに、ほぼ初読のように再読となりました。私の記憶力、ちょっと心配になってきた(苦笑)。とはいえ、本当にこの本書は吸血鬼モノが大好きな人には必読書だと思う!どれを読んでもクオリティが高い上に、それぞれの著者独特の世界観で堪能できます。16編、この中から好きな作品を…と書き出したら殆どになってしまうほど多過ぎたので敢えて書きません(苦笑)。きっと更に10年後にまた新鮮な気持ちで再読しそうです。2017/10/14
じゅんぢ
26
古い話が多かったから、最近の話も、もうちょといれてほしかった。まあ、それでも吸血鬼アンソロジーというだけで満足。2017/12/20
那由多
21
錚々たるメンバーのヴァンパイア・アンソロジーで、ベタなものは無いが短編なので少々物足りなかったりする。もう少し読みたいと思わせるものが多く、違う意味で消化不良。『仲間』『契』『影の狩人』…と良かったものを挙げていこうとしたら、あれ?殆ど全部だ、と気付いた。解説も含めて良かった。2019/03/24
のぼる
17
随分昔の作品が多く、それほど恐怖を感じることは無かったが、なんせ雰囲気が良い。地下室に棺が置いてあるってだけでも痺れます。2017/10/26