内容説明
1997年11月、相次ぐ不祥事から経営が極度に悪化した名門・山一證券は、自主廃業を決定。最後の株主総会での解散決議に向け、残された者たちの誇りと意地を賭けた闘いが幕を開けた。奇しくも創業100周年、「打ち首」にされるのではなく、自らの手で見事に「切腹」するために…。詳細な内部証言と豊富な資料から「山一・最後の200日」を描く、迫真のドキュメント・ノベル!元山一社員による語り下ろし、“その後の山一マン”を収録。
目次
プロローグ 総務部長就任
1章 背水の総務部長
2章 負の連鎖
3章 激震
4章 迷走
5章 前進
6章 最後の株主総会
エピローグ 一年後の乾杯
著者等紹介
江波戸哲夫[エバトテツオ]
1946年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。三井銀行(当時)を1年で退職、出版社勤務を経て、83年作家として独立。政治、経済周辺を題材に、フィクション、ノンフィクションの両分野で幅広く活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Walhalla
5
副題のとおりですが、山一証券の最後の株主総会を描いた作品です。 経営悪化により、会社更生法の適用ではなく、自主廃業に追い込まれた山一証券ですが、最後の株主総会までの山一マンの200日間の道程が描かれています。元社員の証言によるドキュメント・ノベルという事で、登場人物も実名で登場しているようで、当日の株主総会の様子も生々しく感じました。 主人公は、会社が自主廃業を宣言する直前に総務部長になった人物ですが、その総会を「会社の葬式」と表現していたのが印象的でした。2015/11/19
後ろのお兄さん
4
山一証券の自主廃業に伴い、最後に定時株主総会を開催せざるを得なくなり、その開催に奔走する社員たちを描いたドキュメントノベル。 予想とは異なり全体の半分もいかないところで当時の野澤社長の「私たちが悪いんで、社員は悪くありませんから…」が出てくる。あの話は社員達にはまだ始まりに過ぎなかったということか。 これを読んでも山一証券が破綻した背景はよくわからない。にぎりに飛ばしに簿外債務で、結局、自主廃業にすらできずに破産に至ったはず。そのことを示すのは本書の役目ではないということか。2018/12/31
jhurdler
2
リアルだが、廃業に至った核心に対する推理をもっと描いて欲しかった。例えば、ある特定の人物、あるいは日本の商習慣などについて。2020/08/06
Book_Meyer
2
山一証券の自主廃業に至るプロセスが書かれている。 特に、最後の株主総会については、社長や株主のやりとりが生々しい。2019/05/22
羆嵐
2
3.0山一の最後の総会までにほぼノンフィクション。主人公総務部長の永井 清一は実在。飛ばしの真相は江口洋介のドラマの方が詳しいが全体の流れがわかる2019/01/25
-
- 和書
- 舞台衣裳のデザイン