内容説明
戦争文学と経済小説の第一人者である城山三郎の生は、昭和と共に始まる。志願した海軍の組織悪と欺瞞に幻滅し敗戦を迎え、組織と個人のかかわりは終生のテーマとなった。戦後は発展を遂げる経済の中に「組織」を見出し、人間の生き方を問い続ける。「僕たちの世代は、自由にまともなことが言えない恐ろしさを身にしみて知っています」と、言論への想いを語る城山に共鳴し、敬愛してやまない著者が、その足跡をたどる。
目次
特攻は志願にあらず
音にこだわる
三島由紀夫批判
大岡昇平への傾倒
絶対に形の崩れない男
悪名の系譜
戦後余生への出発
生涯の師、山田雄三
「仁義なき戦い」との接点
夫人が泣いた「生命の歌」
原基としての父親
喜劇は続く
つまずいた人に惹かれる
「横光利一は田舎者です」
情報に振りまわされないために
革命児を描く
受難の背景
『大義』の著者の悲しい運命
著者等紹介
佐高信[サタカマコト]
1945年、山形県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。高校教師、経済雑誌編集長を経て、現在、評論家として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゴーヤーチャンプルー
12
一番好きな作家さん、城山三郎氏。経済小説のパイオニア。17歳で入隊した海軍で上官たちの欺瞞、腐敗を徹底して知らされた苛烈な軍隊体験が、『組織と個人』の関わり合いを問う城山文学の原点となっているとの事。たくさんの作品とその背景が紹介されているが、その根底にあるのは戦争で負った永遠に癒える事のない心の深い傷なのだと初めて知った。戦争や経済界や政界の事など、たくさん教えていただいてありがとうございます。また読み直してみたい。2025/04/20
なおしょうたつ
0
考えていることが深い。2022/06/20
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