内容説明
被害者の“声”を聞くことができない唯一の犯罪、殺人。その過酷な捜査に立ち向かう精鋭部隊が、警視庁捜査一課殺人班捜査係だ。「殺しの刑事こそ、刑事の中の刑事」―。桜田門のベールに隠された組織の構造、「地取り」「識鑑」「ブツ(証拠)」を追う捜査手法、そして取調室での「落とし」の技術まで。多くの事件を再現しながら、犯人との攻防を克明に描き出し、現在の捜査一課がもつ脆さと問題点にまで迫るノンフィクション。
目次
第1章 女―平成八年、自称デザイナー狂言誘拐・殺人事件
第2章 花形―桜田門の看板部隊
第3章 臨場―発生、警視庁が動く
第4章 容疑者自殺―昭和六十年、大手建設専務夫人殺害事件
第5章 割る―ホシを浮上させる技術
第6章 落とす―取調室の攻防
第7章 自白―平成八年、不動産ブローカー保険金殺害事件
終章 あとがきに代えて
著者等紹介
毛利文彦[モウリフミヒコ]
1963年、静岡県生まれ。警察問題や司法問題を中心に取材活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyumiyu
62
被害者が語ることができない犯罪・殺人。靴を何足もすり減らしての地取り捜査、毛筋ほどの端緒から事件の筋を読み取り、容疑者確定・逮捕へ至る過程は想像を絶する過酷さだ。その捜査に立ち向かう警視庁捜査一課殺人班の、実際の事件をもとに取材したノンフィクション。凄まじい臨場感に読む手が止まらない。地下鉄サリン事件の実行犯や、吉展ちゃん誘拐殺人事件の容疑者が自白に至ったカギは、ホシが惚れ込むほどの刑事の人間性・人柄だということを知る。不動産ブローカー保険金殺人事件の犯行を自白する場面では、思わず涙が。2015/09/05
はつばあば
42
これは小説じゃない。実際にあった犯罪。重すぎて・・2016/04/12
sat
35
実際にあった多くの殺人事件が書かれている。取調室の攻防には、引きつけられた。落としの神様などいない。2016/11/07
スノーマン
32
取り調べる側も、罪を犯した側も、同じ人間なんだなぁ…それは当たり前なんだけど、凶悪事件の渦中というのはやはり普通に暮らしてる人間としてはどこか遠く、こういう生々しさ溢れる様子を読むと興味深い。嘘で嘘を固めるみたいな容疑者のそばに、意外と素直な愛人がいたり、人間関係の不思議さを感じる。近所で孤独死された人がいて、念のためなのか一度聞き込みに刑事さんが来たとき、やはり関わりたくない、早く帰って欲しいって感じたから、付近の住民からの聞き込みっていうのは想像以上に精神力や体力が必要なんだろな。2015/09/16
シ也
7
姫川玲子、如月塔子...とまあ、警視庁捜査一課殺人犯捜査係に所属する刑事はたくさんいる。そんな小説の中では見れない刑事たちの動きがこの中で読めた。他の班の不手際には万歳をし、麺を食べると長シャリとして怒られる(事案が長引くとされる)
-
- 電子書籍
- 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 7巻…