内容説明
バブル最盛期に行なった脳梗塞患者に対する過剰融資で訴えられた大手都市銀行は、元行員の右近祐介にすべての責任を負わせようとする。右近は我が身に降りかかった濡れ衣を晴らし、銀行の巨悪を告発するべく、証言台に立つことを決意。マスコミと有能な女性弁護士の協力を得て、全面対決の構えをとった。しかし、銀行は組織の体面にかけて、なりふり構わぬ戦いを挑んできた。経済小説の旗手が実体験をもとに描く迫真のドラマ。
著者等紹介
黒木亮[クロキリョウ]
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンスなど数多くの案件を手がける。2000年『トップ・レフト』でデビュー。また、中学時代から長距離ランナーとして活躍し、大学時代に箱根駅伝に2回出場、20kmで道路北海道記録を塗りかえた。長距離ランナーとしての半生は自伝的小説『冬の喝采』にほぼノンフィクションの形で綴られている。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Koji Eguchi
16
残念ながら私が見たこともない額のお金が蠢き、関わる人を闇の世界にいざなう。大手銀行のノルマ達成のための犯罪まがいの貸付や預金とり。出世のための保身と身内のライバルの蹴落とし。凄まじいの言葉でも片付けきれないくらい。脳梗塞患者にローンを貸付け、定期預金させる、えげつないやり口。辞めた人間に罪をなすりつける。黒を白と言い換える詭弁と徹底的な嘘。自分に都合の悪い相手への恫喝。何て恐ろしい世界だ。なかなか個人が相手にできるものではない。だから頑張れ、右近と佐伯弁護士。期待と応援の中、下巻へ!2014/04/18
Kobakampan
3
法律と金融というテーマで一見難しそうだけど、とてもわかりやすく書かれていて面白かった。2015/09/18
Ryo
2
司法ってこんなんなんかな。。。2014/01/27
小説を最初に書いた人にありがとう
2
黒木亮さんて気になって初読み。 面白かった。ドライな話かと思ったら意外に人間を書いていて読みごたえあり2012/08/09
Hideki Ando
2
著者の実体験を元に書かれた作品。バブル期の銀行がどれだけ無茶なことをしてきたかがよくわかる。主人公が証人として出廷するまでが上巻。これから銀行がどのような手段に出てくるのか、下巻が楽しみである。2012/02/19
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