角川文庫
てのひらの中の宇宙

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 192p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043748051
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ミライとアスカ、2人の子どもと暮らすぼく。妻は、癌の再発で入院した。子どもたちが初めて触れる死は、母親のものなのか。死は絶望でないとどう伝えたらよいのだろう?ぼくは地球の生命の果てしない連鎖について考えるようになった。また、友人に背中を押され、宇宙を巨大なカメにたとえ絵本を作り出す。野山や星空を眺めながら、子どもたちは生と死があることを理解し始めた。生命の不思議に、静かな感動が湧き上がる。

著者等紹介

川端裕人[カワバタヒロト]
1964年兵庫県生まれ。千葉県育ち。東大教養学部(科学史、科学哲学)卒。日本テレビ入社後、科学技術庁、気象庁などの担当記者を経て、97年退社。98年『夏のロケット』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリー

48
人類の存続に意味はあるのか?そのうち太陽が膨張して地球は飲み込まれてしまうというのに。その前に氷河期に突入して、焼け死ぬ前に凍ってしまうのに…。小学生の頃の私はそう考えていました。この本を読みながら、その頃の私のとてつもなく大きな不安が蘇りました。「(略)、サイエンスが解き明かしつつある宇宙の姿は、基本的に怖いものなのよ。だから我々は、社会全体として、そんなことを考えなくて済むようなシステムを作ったわけ。お互いに支え合って、あんたは無価値じゃないと言ってあげるシステムを作ったわけ。その中でも、一番強力↓2025/01/03

15
癌闘病中の妻をもつ、夫と子どもたちのお話。よくある闘病ものの小説とは違って、宇宙や恐竜や原子や素粒子。とてつもなく大きなものに触れられていて、それでいて地に足がついて、お母さんのことをみんな愛してる。スピリチュアル系ということでもなくて、いい小説でした。2014/12/26

ころちくわ

9
父親と5歳の息子が宇宙や化石について真剣に会話するところが面白い。母親はがんで入院中。何十億年も前の宇宙の始まり、ビッグバンの話とか、古代のアンモナイトの化石を 地下道の石積みの中に見つけたりとか、人間の寿命を超越した話で救われる感じがする。これが読書感想文の課題図書だったなんて、涙があふれて感想文なんて書けないよ。2023/01/18

さつき

3
ガンで身内をなくした人の話を聞く機会があって、思い出してしまったので。ひとがた流しもガンの話でなんだか繋がってるし呼ばれている、ような、本の連なりだなぁと思う今日この頃。たぶんはじめて読んだときより、思うところは多くなって、単純にまぶしいとかやさしいとか、思えないのですが、「どんなに死が恐ろしいものであっても、生きているうちに、あるいは生きている限りそれは忘れていられる」というのは救いだし希望だと思うよ過剰な同情や変な気遣いは、逆に失礼にしかならんのかな…と。じゃあどうすればいいのか、はやっぱりわからない2012/07/15

しんこい

2
生き物に興味がなくても、魚がいる池をみつけたらそこで遊びたくなるな、と思いながら読み始めました。科学を子供に真正面から説明し、それを子供の感性がとらえた形が面白いし、母親がガンと闘う部分の重さを緩和しています。2012/03/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/608409
  • ご注意事項