内容説明
16歳の明帆は同級生の藍子と付き合っている。だが二人はすれ違ってばかりで、明帆は藍子の幼なじみの少年・陽に近づいていく。ある日、藍子のアパートが火事で全焼し、藍子も焼死体で発見される。不可解さを感じ、真相を探る明帆と陽だが―。「死んでほしゅうない。おまえに生きていてほしい。おれは、おまえを失いたくないんや」友情でもなく、同情でもなく、仲間意識でもない。少年たちの絆と闇に迫る、著者渾身の物語。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県に生まれる。青山学院大学文学部卒業。『バッテリー』(教育画劇)で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~4』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
60
旅のお供本。既読感あるなぁと思ったら単行本で読んでいたようです。藍子は可哀そうだけど、巻き添えになったアパートの住人はもっと気の毒。終わり方もスッキリしなくて残念。2016/10/22
真理そら
59
地方の公立高校を舞台にした2人の少年と1人の少女を中心に展開する学園物、のはずだが2人の少年のキャラが「弥勒」シリーズの遠野屋と木暮っぽい、つまり、とても学園物とは思えない物語になっている。ということで遠野屋と木暮が現代の高校生だったら…というイメージで楽しく読了。2023/08/29
だまだまこ
42
中学の頃初めてこの本を手に取り、この「意味がわからない本」に出会ったことに衝撃を受けた。なんだか悔しくて大学で再読したが、どうしても何もイメージが浮かんでこない…よくわからない…。今回そんな「謎の本」への3度目の挑戦。一気に見え方が変わった。何だ、普通に面白いじゃないか(笑)。確かに、謎が謎のまま残されており、すっきりはしないが、その分想像が膨らむ。理由のない不安と戦いもがく姿や、16才という年齢が持つ子どもでも大人でもない微妙な心の動きが美しく苦く、読み応えがあった。再読ってしてみるものですね。2018/02/12
おかだ
36
んんん?なんだかよく分からなかった。少年達の奇妙に常人ならざる雰囲気から、これは異能系の普通には生きられない超能力者達のお話なのかなと勘違いしてしまったけども、単に情緒不安定な思春期の男子だったっていう。少年2人の内面や関係性が、う~ん所謂腐女子目線というか…友達以上に密接で俺だけはアイツのことを理解してるんだぜ的な。藍子は何のためにあんなことをしていたのか?何の意味付けもなかったので、もやっとした不快感が残る。2017/01/20
小夜風
33
【図書館】16歳…彼らが起こしたり巻き込まれたりする事件を見聞きする度に、この子たちは特殊なんだと思い込もうとしていた。つい最近県内でも女子高生が逮捕され、この子は息子たちとは違う人種なんじゃないかと思いたかった。でも紛れもなくどこにでもいる普通の子たちだ…。もしかしたらみんな心の奥底に闇を持っていて、ひたすらそれを隠して、普通でいようともがいているのかもしれない。もがくのは苦しいだろうか?壊れそうになるだろうか?…それでも…闇から目を背けて、普通の高校生活を送って、普通の大人になってほしいと願うよ…。2014/08/05