内容説明
不幸のどん底で喘ぐ中年主婦・明日美としのぶ。気が弱い半端なヤクザ・史郎。そして、現実を感じることのできない孤独な女・渚。社会にもてあそばれ、運命に見放された三人の女と一人の男が、逆転不可能な状況のなかで、とっておきの作戦を実行した―。果てない欲望と本能だけを頼りに、負け犬たちの戦争がはじまる!戦慄と驚愕の超一級品のクライム・アクション!第二十回横溝正史賞正賞受賞作。
著者等紹介
小川勝己[オガワカツミ]
1965年長崎県生まれ。2000年、『葬列』で第二十回横溝正史賞正賞を受賞し、デビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
95
小川さん、ずっと気になってたけどやっと初読み!いやこれめちゃくちゃ面白かった!文体もプロットもストライクでした。単純なようでいてちゃんと捻りもきいてて最後までハラハラドキドキでした。小川さんてグロで有名だけどこれはそんなでもなかったかな?追いかけます!おすすめ!2019/06/04
アッシュ姉
81
面白かった!先に読んだ母は「お腹いっぱいで胃もたれしそう」と言っていたが、私は好きな味でおかわり希望。ドンパチありのクライムノベルが好物なので楽しめた。戦いの素人たちが仕掛ける戦争も、全員とも外見も中身も冴えないところが現実味があって白けない。重厚ではなく軽めだが、疾走感があっていい。快調に飛ばして失速しないかという心配も杞憂に終わり、期待プラスアルファの展開で納得のラスト。解説はつまらないのでカット。比較する作品が間違ってる。読友さんのレビュー惹かれて初読みだったが、面白かったので他作品も是非読みたい。2018/03/14
Tetchy
44
そのタイトル通り、死屍累々の山が築き上がる。その有様は実に壮絶。これは宴である。狂乱の宴だ。性格破綻者の小市民たちとやくざとの抗争と云う名の宴だ。一人一人が戯画的なキャラクターであり、マンガを読んでいるような感覚と妙に詳細な銃器の説明といったパロディとリアルが同居した奇妙なノワールの世界が渾然と混ざり合い、一種独特な雰囲気を醸し出している。この読後感はタランティーノ映画のようなテイストだ。アクの強い人物たちが最後に華々しく銃撃の花火を放って散りゆく。それは迫真に迫りながらもどこか滑稽で爽快感が漂う。2013/07/25
イケメンつんちゃ
34
小川勝己 クライムなのかノワールなのか まるでブルボンのお菓子みたいな感じ ひーちゃん これめっちゃおもろいで お世話になっておりますレビューさんに 優しくして頂きました ありがとうございます お礼を込めて 一冊 共読本をと思い 読んだ本のレビューを 古い方から観ていたら この本に 目が鱗 葉室麟 鶴舞中央図書館からの刺客 不思議だね 今までに無い体感 スリリングな展開 コミファ光 息つく暇もない位 途中で意識がなくなった処で アナタは最後の最後まで騙されます 痛快あだ討ちエンターテイメント キープカルム2025/06/26
ぱなお
30
『葬列』タイトルの厳かさはなく、とにかくド派手に人が葬り去られた故の葬列か…。何故この人が死んだのか…は、勘違いとボタンの掛け違えみたいなところが最後の方に種明かしされるところは面白かった。復讐が動機になるのは共感できるけど、こうもドンパチが凄いと、ちょっと置いてきぼりもくらう。グループ内で侵入計画を練っても、うっかり物を落としてしまって気づかれる人とかあるあるだけど、そういう存在が出てくると、本の中とはいえちょっとイラッとしてしまいます。2021/03/26