内容説明
流れるような黄金の髪と怜悧に煌く緑潭色の瞳を持つ美貌の貴族シュリルは、隣国の軍人、マクシミリアンに捕らえられた。彼は、妹を死に追いやったシュリルに復讐を企んでいたのだ。シュリルは贖罪のため、マクシミリアンにその身を差し出す。想像したこともない屈辱に翻弄され、貶められるシュリルだったが―。憎しみと禁断の愛に彩られた、官能の美を描く衝撃の耽美ロマン。
著者等紹介
山藍紫姫子[ヤマアイシキコ]
1992年2月に単行本『瑾こん花』でデビュー。耽美小説の世界で絶大な人気を誇っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
105
読友さんの感想より。ここまでがっつりなお耽美小説を読んだのは久しぶり。復讐として凌辱されるが、次第に相手を愛するようになるという耽美ロマンの王道を描いた本作ですが、正直に言うともっと人間の心の襞、心理的な動きも丁寧に描いて欲しかったかな。シュリルのマクシミリアンへ対する思いの変化がちょっと弱い気がします。全体的に性的な描写が多くて最後の方は食傷気味。でもこの作品の世界観はとても良かったので、嫌いではないです。山藍紫姫子さんの他の作品も気になります。2017/12/07
おかだ
47
読友さんの感想から、耽美とは?と興味を持つ。あまり慣れない世界を手探りで読んだ。こないだ三浦しをんさんの『ロマンス小説の七日間』を読んでダークなロマンス小説って凄いな~と思ったんだけど、まさしくそのものって感じ。この世界観は好き。見たことない国の貴族の服飾や調度品がなんとも優美に描かれている。シュリルは両性具有…最初男として出てきたわりに男らしさの欠片も無くて戸惑った。100%乙女やん…。マクシミリアンの考えがもうちょっと描かれていたら終盤さらに盛り上がったなぁ。ともあれ耽美の世界をたっぷり楽しんだ。2018/03/07
豆乳くま
24
官能耽美小説、ってこういう風のなんだ〜。ジャケ買いでした。表紙が美しい(*^^*)のにやられちゃって。でも全く下品でなくギリ大丈夫でした。言葉も端正で素晴らしいと思いました。2013/11/06
yourin♪
22
【微妙にねたばれ】 物語の序盤、秋の深まる夜の森を馬を駆り疾走する2人。 明るく光る月だけが2人を見ている。 逃げる1人は月に照らされ、まるで白く発光するような金髪のシュリル。 追う一人は闇に溶け込む黒豹を思わせるマクシミリアン。 このシーンがまるで映画のように思い描けるくらいの情景描写に、物語に一気に引き込まれた。 それ故、そういう場面が痛いし辛いし可哀想だし痛いし痛いし・・・。 憎み憎まれる関係が、いつしかお互いを求めるようになるんだけど、多くを語らない2人は擦れ違って・・・もどかしかったよぉ・・・2013/03/07
LIV
22
官能美だ…そしてどこまでも耽美だ!耽美ロマンだ!!両性具有、凌辱、禁縛、二輪挿し、そして憎しみと苦痛と愛…自分の大好物がこれでもかと詰まった作品に終始溜息が零れた。この世界観に酔いしれてしまう作品だった。最終章はもう少し長くても良かった気がします。この作家の他の作品も読んでみたい。それにしてもこれ角川文庫で大丈夫なのか…いや大丈夫だから出たんだろうけど…角川さんすごい。2011/01/18