内容説明
「俺たちの仕事をやりにくくしてくれて、どうもありがとう」交通事故被害者の立場から自動車保険や査定システムの問題点を告発するジャーナリスト・柳原氏に届いた一通の手紙。それは、損保会社や運送会社で交通事故の損害調査、示談交渉を長年手がける浦野氏との出会いの始まりだった。治療費打ち切り、交通事故偽装、尾行、談合、葬式列席マニュアル…弁護士さえ知らない示談交渉の生々しいやりとりと、査定現場の驚くべき実態が明らかにされ、損保業界や交通行政の問題点が浮かび上がる、衝撃のルポルタージュ。
目次
序章 これが示談交渉人の仕事です
第1章 保険金詐欺がなぜ多発するのか、その裏側をお話ししましょう
第2章 査定とは「適正」という名の減額です
第3章 病院とはもちつもたれつなんですよ
第4章 示談に身分は関係ありません
第5章 示談交渉人とは何でも屋なんです
終章 示談交渉とは情をカネで切る仕事です
著者等紹介
柳原三佳[ヤナギハラミカ]
交通事故の取材を通じ、被害者やドライバーの視点で問題提起を続けているジャーナリスト
浦野道行[ウラノミチユキ]
損害保険会社の調査員、運送会社の事故係として、加害者の立場から多数の事故処理、示談交渉の現場に長年携わり、敏腕調査員として業界で名を知られる。退職後は、交通事故被害者の無料相談を行い、安全教育や適正な事故対応の必要性を唱え、啓蒙活動に励む
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感想・レビュー
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うたまる
1
「俺たちの職場ではクレームが来たからって、めったに上司に怒られたりはしませんでした。クレームの来ないヤツはダメ、クレームが来て一人前。そういうのが来れば来るほどいい調査員っていう評価があったような気がします」……交通事故の加害者側示談交渉人の告白録。被害者側に喜ばれるということは、保険金を支払い過ぎているということでもある。だから蛇蝎の如く嫌われてナンボの世界。経済性を考えればそうなるのは分かるけど、なんか精神を病んでしまいそう…。とにかく事故は起こさんことだね。”日高の遺書”を全ドライバーが必読すべし。2018/06/07
月に叫ぶ猫
0
「自動車保険の落とし穴」では主に被保険者の視点からかかれたものだが、こちらは支払う保険会社側からの目線で自動車保険のことが描かれていて、両方読めば両方の立場がうかがい知れてバランスがいい知識が得られると思う。 知り合いの損保のセールスマンを死者に鞭打つろくでなしのような目線で見てしまっていたが、これを読んで示談交渉人の方は本当に常人では耐えられぬようなお仕事をしているのだとちょっと見方が変わりました。
つゆこ
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交通事故の保険金の示談交渉人の実話。 裏ファイルは大袈裟かなぁ😓 そこまでびっくりするような話ではなかったけれど、一度読んでもいいかなってとこです。 大変な仕事だなぁというのが感想かな。楽な仕事なんかありませんけどね。2019/04/24