内容説明
父は山口組三代目組長・田岡一雄。母はその妻にして後の三代目姐。そんな家庭に生まれ育った著者は、元気で明るい女の子だった。幼稚園で娘とお遊戯を踊ったり、映画を見に行ったりした父。みんなの相談にのり、時には叱ったりもする、頼りになる母。兄も含めた一家四人、泣いたり笑ったりホロリとしたり、にぎやかで楽しい日々が過ぎていった…。著者は今、感じている。「愛される事が生きていくパワーになる!」子供がいる人もいない人も、読めばきっと元気になって家族が好きになる感動エッセイ。
目次
おゆうぎ踊ったお父さん
タバコは身体にわるいです
普通の「田岡由伎」
お父さんが土下座した
「ゴッドファーザー」は本物
お義姉さんの自殺
「結婚」はむずかしい
たったひとことの愛の告白
浮気の朝はシャイ
埃だらけのへそくり〔ほか〕
著者等紹介
田岡由伎[タオカユキ]
1954年8月14日、山口組三代目組長・故田岡一雄の長女として神戸市に生まれる。83年に音楽家の喜多郎と結婚し、長男・龍ノ介を得る。90年に離婚。アメリカNLP協会公認マスタープラクティショナー・カウンセラーの資格を取得し、現在、トータル・パーソナル・カウンセリングを主宰。カウンセリングや講演など、多方面で活躍中。TBSラジオ「ズバリ快答!テレフォン身の上相談」の回答者
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
55
家族からみた任侠の人。贔屓の引き倒しであろうともやはり3代目。ベラミの発砲事件は新聞の一面を飾り、娘心に興味津々。アルカポネ並みにいい男さんと。3代目が立派なヤクザ屋さんであったのはひとえに奥様の賜物。奥様が3代目を作ったと云っても過言ではない。清水の次郎長から任侠の人はいただろう。浅田次郎さんの本の中でも任侠の人が。やくざも、束ねる人がお粗末になったから暴力団となったのか。それでは警察も政治家もお粗末になった今、女が廃ったのか。日々の暮らし、優しすぎる爺様に私も廃ってしまっていた。2016/02/18
GAKU
41
山口組三代目田岡和雄の長女が書かれた、家族のエッセイ。身内の贔屓目な書き方もあるかもしれませんが、読んだ限りでは厳格だけれども、愛情に溢れた父母に育てられた、素敵な家族だとの印象を受けました。やはり三代目はヤクザではなく侠客であり、その奥さんも立派な侠客の姐さんとの印象を受けました。三代目の娘であるがゆえの色々なエピソードも面白かったです。なかでも高校生の時親に内緒でディスコに行き、チンピラに絡まれてやむを得ず家に電話する。その後の顛末。筆者の素性を知らなかったとはいえ、アホなチンピラです。恐ろしい(汗)2016/02/21
ねこまんま
27
身内びいきの話半分と思いながら読んだのに、なんか感激した。とにかくデカくて人としてすごい。時代が違ったら、ヤクザじゃなくてもっと違う方面で成功してるであろうと思わせる人物です。普通の家庭より地味で堅実で、家族関係が濃密で、「THE、家族」って感じが嘘くさく感じてしまうほど。娘が父を思う気持ちも私の理解を超えたものだったので、「本当に田岡由伎が書いたのか?」と疑ったほど、完成された家族のお話でした。そして女の立場からしたら、この姐さんはすごい人。私やったら惚れただけではここまで出来んわ。 2016/03/05
Nozomi Masuko
14
山口組3代目組長の田岡一雄の娘として生まれ育った著者の、人情味に溢れる家族愛を綴った感動エッセイ。お気に入りの読書家さんが読んでいてずっと読みたかった1冊。田岡一雄の人間性はさることながら、頼りになる母親の存在も見逃せない。ページをめくるたびにホロリ。それでも結局ヤクザなわけで、きれいにまとまりすぎかなと思っていたら最後に「極道である父親の、私に見せたやさしく深い父でない部分も目をそらさずに見つめていく。いつか書く機会があったら。」と結ばれている。田岡一雄の人間性は後世へと受け継がれていたようだ。2016/03/16
gtn
8
母が偉かったのか。著者は増長することもなく、また卑屈にもならず大人になることができた。2019/10/13