角川文庫<br> 最後の忠臣蔵

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角川文庫
最後の忠臣蔵

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043687107
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

吉良邸討入から引揚げる途次、足軽・寺坂吉右衛門は大石内蔵助に、生き延びて戦さの生き証人となるよう命じられた。義に殉じる事も出来ず、世間の視線に耐えて生きる吉右衛門は、十六年の後、討入前夜に脱盟した瀬尾孫左衛門と再会する。同じ境遇にある旧友にも、実は内蔵助から密かに託された後事があった。苛酷な半生を選んだ二人の武士の信義と哀歓を描いた表題作など、連作四篇を収録。

著者等紹介

池宮彰一郎[イケミヤショウイチロウ]
1923年東京都生まれ。静岡県沼津市に育つ。軍隊生活ののち映画の脚本家として独立。92年『四十七人の刺客』で小説家としてデビュー、93年同作品で新田次郎文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッキ@道央民

53
年末から年明けにかけて読み読了。赤穂浪士の吉良邸討ち入り後の後日談。大石内蔵助から生き残る事を託された足軽身分の寺坂吉右衛門。討ち入りの真実を語るために奔走する姿が描かれる連作短編集。吉良邸討ち入りに加わった者たちだけでなく脱盟した元赤穂藩士の事も考え様々な手を打っていた内蔵助、まさしく策士だったんだろうなぁ~と言うのを読み進めながら感じる。内蔵助の京都山科での妾の可留のその後や瀬尾孫左衛門の義に熱い姿は切なくもあるが、心打たれるものがある。2019/01/10

ウィック&ぺディ

37
★★★★☆ 赤穂浪士47人の中でただ一人の足軽、寺坂吉右衛門。吉良邸討ち入り後に大石内蔵助に命じられたのは、幕府に事件を歪曲されないように、ただ一人生き延びて生き証人となるということ。寺坂にとって義に殉じることもできずに生きるということは、法を犯して逃げる辛さと難しさを同時に味わうことでもある。居を構えず全国を渡り歩き、同士の残された家族への報告や暮らし向きの相談のために奔走する様子は過酷で、悲哀にあふれている。諸説ある赤穂事件の後日譚に、独自の解釈で光をあてた連作短編集。2021/11/06

佐島楓

33
著者はシナリオライターということで、鮮やかに印象に残るシーンがいくつもあった。ひとり生き残ることを命ぜられた四十七人目の志士・吉右衛門の苦しみが胸に迫る。生きるということは哀しみも背負うこと。それでも生きろと内蔵之助じきじきに告げられたこの重さ。そして忠臣ゆえの究極の選択。良い小説を読んだ。2014/11/04

抹茶モナカ

30
赤穂浪士の討ち入り事件、所謂『忠臣蔵』をベースに、内蔵助に生き延びるように命令された男の姿を描く。『忠臣蔵』自体、歴史事件というより、物語性が強いので、それをさらに脚色している本作は、歴史小説とは少し違うのかもしれない。硬質な文体で、侍の生き方を描き切って、分量はそれほどではないけど、お腹一杯になった。2016/04/14

佳乃

26
討入後の話。大石内蔵助の命により真実を伝えるために奔走、生きながらえる吉之衛門。後半にまさかの瀬尾孫左衛門。驚きや切なさ、忠義に対して、本当に凄い。2018/03/29

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