内容説明
汝、自身を知れ―40億年という生物史の中で、人類は初めて自らを知ろうと挑戦した生物であり、その大きな試みのひとつが、ダーウィンの唱えた進化論である。進化論は時に優生思想に形を歪められ、ヒトラーらの政治手段として使われるという辛酸も嘗めた。しかし、混迷する現代こそ、私たちが何者なのかを問い直し、基盤となる思想を新たに構築しなければならない。その答えは生命の歴史、すなわち進化論の中にある。進化論の歴史的背景を振り返り、倫理観、宗教観、差別思想、フェミニズム、自然保護など、人類文明が辿ってきた諸領域を進化論的側面から位置付け直す。
目次
第1章 進化と進化論の歴史
第2章 国家と社会の名のもとに―優生学と社会ダーウィニズム
第3章 社会行動の影に遺伝子あり
第4章 人はなぜ道徳的に振る舞うのか、また、なぜそうでなければならないのか?
第5章 ダーウィンとフェミニズム
第6章 ケーニヒスベルクの三〇〇年―進化論と認識論
第7章 人の心の歴史
第8章 さらばガイア、こんにちはバイオフィリア
著者等紹介
佐倉統[サクラオサム]
1960年東京都生まれ。東京大学文学部心理学科卒業、京都大学大学院理学研究科霊長類学専攻修了。チンパンジーの社会生態学で理学博士号を取得。フライブルク大学情報社会研究所客員研究員、横浜国立大学経営学部助教授などを経て、現在、東京大学大学院情報学環助教授。進化生物学を専攻する一方、科学史から先端科学技術論まで、長大な人類進化の観点から人間の科学技術と現代文明を定位する方法論を幅広く研究中
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感想・レビュー
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A
AR読書記録
Ryosuke Tanaka
うえ
ひよこ皇太子