内容説明
赤穂浪士を率いた大石内蔵之助。その大石が天下に名を揚げた山鹿素行の護送、備中松山の城受け取りにはじまり、吉良邸討ち入りまでの艱難辛苦が美文で綴られる。祇園一力での遊興、神崎与五郎の股くぐり、大高源五と俳人其角とのかかわり、南部坂雪の別れなど、「忠臣蔵」の名場面を随所にちりばめ、時代小説の王道を示す。
感想・レビュー
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今ごろになって『虎に翼』を観ているおじさん・寺
54
先日読んだ山下泰平の明治娯楽物語本が滅茶苦茶面白かったので、関連本が読みたくなり、積ん読だった本書を読んだ。忠臣蔵を通して触れるのは久々だ。ついつい山下泰平的な笑い所を探しては見つけ、前半は大石内蔵助は周囲を驚かすばかりのドッキリ仕掛人みたいだなぁと笑って喜んでいたが、やはり自分は日本人だと思うのが、段々と討入りに至るまでの周囲の誤解を甘んじなければならない赤穂浪士たちの苦しみにグッとき始めた。瑶泉院の大石への罵倒は辛くて泣けてきた。討入りに進む過程で次第に音読し始めた。たまには武士道もいいものだ。2019/05/04
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