内容説明
知人のつとめる不動産屋にはキズ物件を集めた内部資料、通称「ブラックリスト」がある。日当たりが悪い、どぶ池があって臭い、工場の騒音…理由はさまざまだが、その中にこんな物件があった。“夜になると、隣の病院の霊安室が―”。狐狸妖怪や百物語の怪など、現実に起きた、得体の知れぬ不思議な体験を集めた怪異集。
目次
第1章 第一夜にまつわる六つの話
第2章 訪ねくるものたちの八つの話
第3章 建物にまつわる十四の話
第4章 路上で出会った十一の話
第5章 狐狸妖怪に出会った六つの話
第6章 百物語にまつわる五つの話
第7章 得体の知れないものの十六の話
第8章 噺家に関する六つの話
第9章 塞がれた空間で起こった四つの話
第10章 絆を感じる十四の話
第11章 戦争にまつわる九つの話
著者等紹介
木原浩勝[キハラヒロカツ]
1960年生まれ。怪異蒐集家、「怪談之怪」発起人
中山市朗[ナカヤマイチロウ]
放送作家、オカルト研究家、怪異蒐集家、「怪談之怪」発起人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
85
第五夜は印象に残ったのは狐狸妖怪に出合った話と戦争にまつわる話でした。とくに後者は今後殆どこのような話をつむいでいく人がいなくなることを考えると貴重ではないかと思いました。とくに怖いと感じるものは得体のしれないものの話が印象に残ります。まあそれにしてもこのような話をよく集められると思います。みんな怖いものが好きなんですね。全部が全部本当なのかはわかりませんが。2022/09/14
ゆみきーにゃ
55
《購入》たまに心震える(いい意味で)話しがあるから、怪談話を読むのがやめられない。そんな話に出逢えたので満足の一冊。2015/05/05
ち~
39
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の一・和編〉全巻揃えながらも、怖すぎて4巻まで読んだ後、長年本棚の奥に眠っていたのを引っ張り出した。やっぱり怖い〜!1つの話がわずか2〜3ページという超短編にも関わらずゾゾッとさせるのは、装飾を一切省いて表現されているからなんでしょうね。「第3診察室」が1番怖かった。2020/08/05
じゅんぢ
31
最後の話が怖かった。じいちゃんは大陸で何をやったのか。消えたじいちゃんはどうなったのか。想像すると怖い。2020/08/27
急いで突厥
30
夏が来たのでホラーを読んでみた第9段。 今回は亡くなられたある落語家さんのエピソードと第1夜で語られた学生寮の幽霊が継続中な事。が印象に残った。 最終章の戦争にまつわる話を読みながら、間もなく終戦記念日だなぁと思っていた。 今回も怖いので2日に分けて読んだ。2015/08/13
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- 和書
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