出版社内容情報
直木賞受賞作がついに文庫で登場文明開化の音がする明治十年。一等巡査の矢作らは、ある伝説の真偽を確かめるべく隠居老人・一白翁を訪ねた。翁は静かに、今は亡き者どもの話を語り始める。第130回直木賞受賞作。妖怪時代小説の金字塔!
京極 夏彦[キョウゴク ナツヒコ]
著・文・その他
内容説明
文明開化の音がする明治十年。一等巡査の矢作剣之進らは、ある島の珍奇な伝説の真偽を確かめるべく、東京のはずれに庵を結ぶ隠居老人を訪ねることにした。一白翁と名のるこの老人、若い頃怪異譚を求めて諸国を巡ったほどの不思議話好き。奇妙な体験談を随分と沢山持っていた。翁は静かに、そしてゆっくりと、今は亡き者どもの話を語り始める。第130回直木賞受賞の妖怪時代小説の金字塔。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
小説家、意匠家。1963年北海道生まれ。1994年、かねてアイデアを温めていた妖怪小説『姑獲鳥の夏』で小説家デビュー。『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、『後巷説百物語』で第130回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遥かなる想い
282
第130回(平成15年度下半期) 直木賞受賞。 明治初期、一白翁が語る 奇妙な体験談。 伝奇物語なのか、今昔物語なのか、 白翁が語る不思議な体験は なぜか幼い頃に聞かされた 物語に似て懐かしい。 人間の心に取り付く情念の ようなものを、昔話を通して 妖艶に描く。 各物語の最後の小夜と百介の 会話が面白い。真実は何だったのか、 明治初期の時代背景と、昔話を 上手くミックスさせた伝奇小説 だった。 2014/05/25
kaizen@名古屋de朝活読書会
206
【直木賞】出だしはやや難解。小野不由美が解説を書いている。妖怪小説で妖怪の知見が仕入れるおとができるが妖怪が出て来ないとのこと。なるほど、安心して読み進められる。最初は赤くなると滅びる島の話。具体的には戎島の話へと展開する。行ったきり戻ってこれない島。2013/12/13
三代目 びあだいまおう
176
いつもの仲間が集まり不思議な事件を侃々諤々詮索し合う面白さ。結論出ずに一白翁に聞いてみる、聞くと小股潜りの又市らが関わってるって話『世に不思議なし、世凡て不思議なり、ですよ』時代は幕末を経た明治初頭、鎖国で外国の情報などが入ってこなかった閉鎖的な日本での、庶民の興味関心ごとや会話が感じられ超面白い。そんな時代の不思議不可思議を一白翁こと山岡百介が明かす、その根っこにお馴染み又市達の存在がある!祟り、呪い、迷信、怨みつらみ、もののけ御行奉為!長いよ確かに。800ページ!このシリーズ読む順番が大事‼️🙇 2018/12/05
優希
84
第130回直木賞受賞作。文明開化の音と共に語られる珍奇な伝説。百介の若かりし頃の奇妙体験が語られ、今は亡きものの物語を紡ぐゆっくりとした様子が刺さります。全部過去の話となっているので、懐かしさと寂しさと不気味さが混合試合い、絶妙な世界が作られていると思いました。若い頃、怪異譚をどれだけ求めているかがわかります。静かに綴られた百物語を堪能しました。2019/04/24
gonta19
69
2007/4/28ジュンク堂住吉シーア店にて購入。2014/12/20〜2015/1/7第130回直木賞受賞作品。巷説シリーズの第3弾。時代は明治に入り、隠居した山岡百介を中心に話が進む。時を越えて語られる小股潜りの又市の仕掛けが見事。2015/01/07
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