内容説明
二十六歳の榎戸与一郎が、家老の座に名を連ねて十ヶ月が経過した。「主君押し込め」騒動は、昨年一応の決着をみたが、お家騒動の火はまだ消えておらず、藩政改革も急務であった。与一郎は新米の家老として針のむしろに座ったような日々を送っていた。そんな折、藩の木材伐り出しにからんで、奇妙な事件が勃発。その事件の裏には、お家騒動につながる黒い策謀が渦巻いていた…。窮屈な藩政機構の中枢にありながら、心のしなやかさを失わず、公儀隠密と謎の忍者集団の暗躍に立ち向かう与一郎。新任家老が命がけで暴き出した真相とは…。
著者等紹介
羽太雄平[ハタユウヘイ]
1944年、台湾生まれ。カメラマン、広告会社経営を経て、1988年、『完全なる凶器』で小説CLUB新人賞を受賞。以後、作家生活に入る。『本多の狐』で第2回時代小説大賞受賞
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感想・レビュー
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蕭白
7
主人公のキャラクターがいいので、いい時間が過ごせました。続きがあるようなので、チャレンジしてみます。2020/05/31
sken
5
この作者さんの作品は初めてだと思いますが、主人公の造形がいいっすねぃ。二十代半ばにして無理矢理に家老職につかされた、筋肉系の主人公。超キレ者の陰謀わんさか隠居親父と、もんのすごく頭のデキのいい弟、さらには薄幸の美女っぽい婚約者などに、やたらと翻弄されつつも、微妙に楽しくじゃれ合ったりしている感じがいいと思います。剣戟シーンも結構盛大に盛り込まれてがっつり斬り合ってますし、面白いシリーズだと思います。まずは物語の発端である前作を読んで、その後に続けたいと思うっす。2013/03/13
yasu7777
1
★★★☆☆ 渋谷2860-1932021/06/06
nyaboko
1
夢中になって2冊目読破。親父がすごすぎる。正直、この親父と弟を持ちながらグレない与一郎は懐深いなぁと思う。そして相変わらずのギリ頼れる主人公。たぶん「あーもうわかったよ、好きにすればいいだろ」と自分が利用されているのを理解しながらも、やることはやる、という辺りが好感度高い。ついつい頑張れと応援したくなる。2014/10/20
パル2パパ
1
再々々々?読位かな、此れも(苦笑)最初は、図書館で、ふいに手に取ってパラパラと頁を捲り、此は面白い!って全シリーズを借り出した覚えがある。あと、二冊、古本屋で、探すのが大変そう。2013/09/12