内容説明
鬼沢仁、二四歳、プータロー。刺激など皆無の毎日を過ごすこの若者に、突然多額の報酬が提示された。馴染みの台湾料理屋の女主人に、香港の親戚への届け物を頼まれたのだ。一も二もなく鬼沢は依頼を快諾した。それが、終わりなき恐怖の旅の始まりとも知らずに…。人知れず妖怪を使役する一族の罠にはまり、アジア中を流浪する羽目に陥った男の緊迫の数日間。圧倒的なリアリティで描く、戦慄のロード・ホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
15
知り合いの台湾料理屋の店主から「伯父に運んで欲しい」と黒い瓶を預かった日本人の鬼沢仁。当初、ただ運ぶだけと思われていたが、店主から伝えられた香港の住所にその伯父は居なかった。道中、ひょんなことから呪術師に「三日後に死ぬ」呪いを掛けられたことから、アジア各国を巡る逃避行が始まってしまう。香港もマカオも台湾も行ったことは無いのだが、それでも異国情緒に浸れる文章が印象的だった。2023/06/23
fukafkacraft
2
黒い瓶を届けるため香港、上海、台北、ボルネオまで旅する男。香港で呪いをかけられ、妖怪に追われるあたりまではぐいぐい惹きつけられたが、終盤で残念な方向に。アジアの都市や島の因習に詳しい作者による描写は普通の小説にない魅力があり、リーダビリティーは高いのだが、頻繁に視点は変わるし物語の構成に難あり。非常にもったいない。2016/01/30
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