内容説明
野村証券をはじめとする証券スキャンダル、イトマンの不正融資事件、高橋治則被告の二信組事件、総会屋への利益供与事件、続く山一証券、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行などの金融破綻の波は、総決算のようにバブルの真の演出者、巨大銀行の隠された実像を見せる。転換期を迎えた今、金融行政は護送船団方式と決別し、破綻を免れた銀行は公的資金によって再生への航路を漕ぎ出している。だが、はたして過去の呪縛は解き放たれたといえるのか。事件の当事者に取材し、新たな証言にもとづいて闇社会や政治家の暗躍を明らかにするドキュメント。
目次
第1章 日債銀、長銀を覆った闇(マルサの防波堤;献金に消えた乱脈融資 ほか)
第2章 「総会屋台風」の猛威(第一勧銀、負の引き継ぎ;第一勧銀、虚像を生んだ土壌 ほか)
第3章 企業と暴力(ペンの圧力;社内総会屋 ほか)
第4章 政治の闇(「長官を辞めさせた」男;差し押さえられた元右翼邸 ほか)
第5章 険しい再生への道(政・財・官のトライアングル;収益至上主義からの脱却 ほか)