角川文庫
御直披―レイプ被害者が闘った、勇気の記録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 235p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043536016
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「御直披」(あなただけが読んでください)と記され、著者の元に届いた一通の手紙。それは、レイプ被害者が、絶望の底から必死に犯罪に立ち向かおうとふりしぼった勇気の第一歩だった・・・。

内容説明

レイプは魂の殺人だ。それを公にできず、人知れず苦しんでいる被害者は、数知れない。そんな中、「御直披」(あなただけに読んでいただきたいのです。)と記され、著者の元に届けられた一通の手紙。それは傷ついた被害者が、犯罪に立ち向かおうとふりしぼった勇気の第一歩であった…。性犯罪捜査官の著者に支えられ、そして共に闘い、犯人に対して強姦罪としてはまれにみる有期最高刑・懲役20年の判決を勝ち取った被害者の魂の軌跡と、著者との胸を打つ心の交流を綴った、感動のノンフィクション。

目次

発端―ある日、一人の強姦被害者から一通の手紙が。その日から私と彼女の往復書簡が始まった
抗議―処女でもないんだからいいじゃないか。精液反応がでない、「これでは本当に強姦されたかどうかわからないな」
謝罪―同じ警察官として心からお詑びします。強姦は魂の殺人に匹敵
あの日―あの日の午後十時。帰り道に二人の男がサッカーを
犯罪の手口―待ち伏せ、オートロックマンション。白昼堂々、十時間監禁
レイプ―マンションのゴミ捨て場で。殺されたくなかったら服を脱げ
事情聴取―犯罪は日常の裂け目。あなたの苦しみを私が受けとめます
告訴―犯行から六か月、遅くないなら今からでも訴えます
女性刑事―私が婦人警察官になった理由。刑事までに十一年かかりました
悪夢―夢を見ます。黒い手が私を引き裂く、そんな悪夢です〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みなみ

31
「御直披」とは、親展と同じ意味で「あなただけに読んでほしい」という心からのメッセージ。性犯罪の被害に遭った女性と性犯罪の捜査を行う警察官との手紙のやり取りで構成される本書を読むと、性犯罪が「魂の殺人」と呼ばれる意味が良く分かる。状況を知り、心情を理解しようと、生身に受けた傷は共有できないのかもしれない。けれども理解しようとする気持ちを筆者と同様に捨ててはいけないと痛切に感じた。被害者の方が、怒りや悲しみとは無縁に安らかに生活していることを祈りつつ読了。2023/01/31

松本直哉

24
魂の殺人に等しい行為に打ちひしがれても、自分の中で冷静に捉えなおして言語化を試みる被害者の方の知的態度にも、その言葉を真正面から受け止めてともに嘆きつつ解決を探る著者にも感服した。御直被という親密な書簡のやりとりだからこそそれは可能で、性という人間の最も微妙な尊厳はその親密さによってのみ担保される。著者の熱意によってすべての都道府県に性被害相談窓口が設置されて女性の警察官が対応するようになってから20年、どれだけ効果があったのか。伊藤詩織さんの事件を見ても、まだまだ警察の対応には改善の余地がありそうだ2017/10/30

 

2
★★★★☆ 強姦被害者の方のありのままの心情が綴られていてもう胸が痛いのなんのって。沢山の人に読んで知って欲しい。2012/03/31

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