内容説明
中学二年生の俊輔は、たったひとりで剣道部の合宿へむかうところだった。夏期講習に参加したため、みんなと一緒に出発できなかったのである。合宿先は毎年恒例の、貸し別荘が点在する避暑地だったが、剣道部が借りたのは恐ろしく古く薄汚れた施設だった。終点のバス停まで迎えに来てくれた先輩と暗い山道を歩くうち、俊輔は林のなかに青白く光る不思議な火の玉を目撃してしまう…。ホラー大賞長編賞作家の、傑作短編集。
著者等紹介
瀬川ことび［セガワコトビ］
１９６４年、福岡県生まれの大分県育ち。’９９年、「お葬式」が第６回日本ホラー小説大賞短編賞佳作になる。著書に「お葬式」「厄落とし」
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
70
全く今の季節向きではないですが仲良しのお気に入りさんに貸してもらっていたので読みました！ホラー大賞短編賞作家の傑作短編集。ホラーが苦手な私が何故この作品を借りたかと言うと怖くないホラー小説と言う事で気になったからです！本当に全然怖くなくて、少しクスッとしてほっこりするような短編５編入り♪初めて読むジャンルで笑えるホラーでした！私は「夏合宿」「たまみ」「ドライ・オア・フレッシュ」が面白かったです！オチもあり、こんな雰囲気の作品を読むのは初めて。楽しむ事ができ、ほのぼのとして良かったです(*^_^*)2014/01/18
眠る山猫屋
56
はぁ最高w 表題作は中学の夏合宿、遅参した俊輔は片山先輩と暗い山道で怪異に出会う。助けてくれた自転車のお婆さんがカッコいい！「一服してやり過ごせばいいのさ」中学生に煙草薦めるけどポイ捨てはしないクールなお婆さんとの仄かな友情。でもこの婆さん、実は・・・。廃旅館で出会う陽気な手足だけの幽霊たちの宴会、田舎の守り神たる乳幼児たまみちゃんの許嫁にされたニートくん、各地を破滅させる無自覚ＯＬ、干し首と飛頭蛮。欠片も怖くないけど最高に愉快な一冊。おすすめの作品ですから！2020/02/26
ミーコ
50
読みたい本に登録してたので 電子書籍にて購入しました。ホラーだけど余り怖くなく･･･。好みだったのは「廃屋」で不気味な白い着物を来た女の幽霊…ではなく楽しそうに踊る腕や足(笑) 笑えるお話でした。何とも嫌な感じだったのは「本と旅する彼女」で美夏、自己中やろ? ニコスが気の毒過ぎだし住人達もー。「たまみ」ギョギョ❢ 赤ん坊が… でも利之は絶望のあと、幸せな人生を全う出来たのかも❓ 軽く読める１冊です。2018/06/26
スーヌ
13
【B】ホラー短編集。不気味さを醸し出す表現力は巧みで、どの作品も途中まで読むと（お、これは怖そう！）と期待するも…後半はコメディ色が強くなり最後は笑い話で終わる。怖いのも楽しいのもどっちも好きな人ならオススメできる（笑）2018/06/06
読み人知らず
11
怖くないホラー。おもしろくないわけじゃないよ。おもしろいよ！怖くないホラーなんだ。不思議な空気感の作者だ。2013/02/28
