内容説明
おふみばあさんが亡くなって、身の振り方を案じなくてはならなくなったシュウちゃん。倫太郎たちは、シュウちゃんが一緒に学び生きていけるための「学校」を探すことにした。一方、倫太郎とミツルは上級生の豪二と話し合い、学校を良くしていくための接点を見いだそうとする。倫太郎たちの行動によって、教師たちにも変化が出始めた…。いのちの共鳴を描き続けた作家・灰谷健次郎の最後の作品。
著者等紹介
灰谷健次郎[ハイタニケンジロウ]
1934年、兵庫県神戸市に生まれる。大阪学芸大学卒。17年間の教師生活の後、沖縄・アジアを放浪。その後作家活動に専念し、74年に『兎の眼』を発表、多くの読者の共感を得る。79年、路傍の石文学賞受賞。2006年11月23日、72歳で永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
43
あら?学校の問題は?と話の変化に戸惑ってしまったが、子供の頃からの付き合いのシュウちゃんのこともそれは子供らにとっても大きな問題だよなぁと気持ちを切り替えて読み進めた。この物語に出てくる子供たちの行動力と好奇心の旺盛さには本当に驚くことばかり。口は少し悪くてもそれが照れ隠しの時もあるし。子供たちもさることながら、こんな大人が居てくれたらと思うような大人たちを登場させてくれているのは、この物語を読んだ大人たちが少しでも子供に負けないくらい心の成長を作者に望まれているのかもしれない。あと一冊。とても興味津々。2019/11/11
たぬ
12
☆4 後半は知的障害者がメインテーマ。いろいろなことに挑戦してその人に合うものを見つけていくという姿勢には共感。でも成人男性の入所者を若い女性が担当しているって恐怖と不安しかないんですが。筋力差はもちろんのこと性欲出されたらどうすんの? 人でなしと言われようが私個人は知的障害者とは関わりたくないです。(※理由についてはコメント参照) 福祉関係は給料安すぎて一家の大黒柱が就くには厳しい→必然的に女性が中心となっている構図はどうにかしなきゃだよね。2024/12/03
山下哲実
8
一度は読むべき良書でした。2022/10/22
恵美
6
シリーズ8巻目。もうここまでくるとこの物語と一体感というか、皆の仲間になったような気持ちになりますね。子どもたちの気持ちが清々しくて爽やかな風が吹いてくるような、そんな仲間たちと一緒にいる気持ちにさせてもらえます。皆がまるで側にいるような、楽しい気分になります。いよいよ次は最終話です。最後だと思うと寂しいです。でも皆の頑張りを見届けたい、複雑な気持ちです。2013/06/07
アマリリス
2
うーん、尻切れトンボな終わりだけれど、ここまで心豊かに育った子ども達だから、この先は心配ないということだろう。理想主義に終始し最後は読むのがしんどかった。2014/06/21