角川文庫<br> 不器用な愛

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角川文庫
不器用な愛

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  • サイズ 文庫判/ページ数 343p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043499021
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「組織の中にいて、上からの辞令に逆らう方法があるか―」殉職した警官の不正を暴くために潜入捜査を続ける監察官。自分の出世の為に同じ釜の飯を食った仲間を売る「卑しき道」を歩む男の苦悩は、殉職した刑事北上の娘との交流を通じてさらに深まる…。『暗殺の街』として仲村トオル主演で映画化された傑作短編(「されど卑しき道を」)。あなたの脳髄を打ちのめす九つの男の生き様。伝説のハードボイルド作家風間一輝の傑作短編集、今ここに蘇る。

著者等紹介

風間一輝[カザマイッキ]
1943年、中国東北部(旧満州)生まれ。広告代理店、デザイン事務所、出版プロダクションなどを経て、「あとりえ・ふぁいぶ」に所属。酒好きで自転車狂。独自のハードボイルド世界を築き、好評を博す。1999年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

115
ハードカバー『されど卑しき~』を改題して、短編2編を加えたもの。追加された2編はどちらも詐欺師「滝川直次」が登場します。相変わらず鮮やかな手口で相手を見事に騙す描写は痛快です。ターゲットが決して見境がないワケではなく、むしろ犯罪者、悪者を相手に仕掛けていくスタイルが好ましいです。自分に絶対な自信は持ちつつも、決して過信することなく、淡々と仕事を進めるスタイルは詐欺だろうが何だろうが、シビれますね。本作の一編が映像化されており、仲村トオルさん主演とのコトで解説も書かれています。風間さんの世界、好きだなぁ。2022/06/20

じいじ

112
 読友さんの熱烈レビューで手に取った。いいねぇ、サイコーだね、面白いよ。この作家。斜に構えた文章でぐいぐいもっていかれる。話の筋立ても上手い。主人公の男は、どいつもカッコいい!周りの女が放っておかない男前。出だしの連作3篇は、表向きはエロ雑誌のカメラマン、裏の仕事が詐欺師の中年男が主人公。まっとうな素人・老人は相手にしない、腹にいち物ある連中がターゲットなので痛快だ。相手をじらす詐欺師の言葉の妙には感心する。ハードボイルド作家の短篇は愉しめた。腰を据えて長編も読んでみたい。2017/10/17

はつばあば

64
ええかげんにして欲しいわ・・なんでこんなにカッコイイ男が私の周りにいてへんのや"(-""-)"。爺様の不器用な愛はようわかってる。そやけど・・弱いもん。いや、私と対等はアカン。私に勝ちを譲ってくれる男ハンやないと・・。平々凡々の毎日をくれる爺様に感謝しときますわ(#^.^#)。皆さんも刺激は本だけにしといた方がよろしいかと2017/08/08

ココ

36
昭和のちょっと湿り気のある香りを感じる、大人のエンタメ小説。どしりとして、篤実で、本物の強さをもった男達の登場に「き~っ!たまらない」。酒場のカウンターとイイ男、女の入る隙を与えないところが格好いい。初読み作家さん、素敵な出会いでした。2017/10/25

ヤスヒ

18
読メをはじめてから存在を知りすっかりファンになってしまった風間作品。いまや中古でしか入手できないので探しに探してようやく手に入れた一冊。9つの短編が[笑え][泣け][感じろ]という3つのテーマに3つずつ収録されている。[笑え]では風間作品に欠かせない深志荘の住人からカメラマン兼詐欺師の滝川が初登場。滝川の騙しの手口は鮮やかで安心して読ませてくれる。そして魅了させてくれる。また[泣け]では『漂泊者』で散々かっこよさを見せつけてくれた国分も登場。そして『男たちは北へ』のスピンオフ作品も!…もう全てに大満足!2012/09/28

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