内容説明
類いまれな容姿と知性を持つ藤波京子。その美しさは、ほかの女たちがどんなに着飾っても太刀打ちできるような種類のものではない。それは、彼女が精神までも毎日丁寧に磨き上げているために、涌きいずるものなのだ。いま、京子には大切な人間が二人いる。恋人の羽田と娘の梨花。恋人との逢瀬を楽しむ一方、彼女が会得してきたあらゆる美学をもって娘を育てている。しかし、やがて娘は、母の大いなる影から抜け出し、自分の心と体を自由に操ろうとするのだった…。極上の愛の物語。
著者等紹介
梅田みか[ウメダミカ]
1965年、東京にて作家・故梅田晴夫氏の長女として生まれる。慶応義塾大学文学部卒業後、執筆活動に入る。現在、小説のほかエッセイ、脚本家としても活躍中
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感想・レビュー
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三代目 びあだいまおう
246
娘を愛する(完全片思い)者として、ただタイトルに惹かれ購入。想像とは随分違ってた。主人公は3人、類い稀な美しい容姿と知性を持つシングルマザー京子、母親の美を継承する娘(キッドモデル)の梨花、京子が愛する恋人の羽田。『美しさという秘宝』を一切の無駄を省き磨き上げる京子は、わずか5才の娘の美を潔癖なまでに昇華させてゆく。愛し愛される羽田との逢瀬も包み隠さず梨花に見せる。狂気とさえ映る『母の愛の形』は突然の閉幕!成長した梨花はまさに京子そのまま!恋愛に弱い私の心に重暗い澱が沈殿した、ある意味官能的な作品‼️🙇2019/06/04
エドワード
17
京子は娘の梨花と二人暮らし。梨花を理想の女性に育てるのが夢だ。江國香織さんの「神様のボート」に似た雰囲気で始まる物語。恋人の羽田が実家のある金沢で嫁を迎えた後も二人の恋は続いている。物語が進むにつれ、ファンタジー色より愛の狂気が前面に出て来る。京子が羽田の子供を授かるのと期を一にして、梨花からおたふく風邪を伝染され生殖能力を失った羽田が子供を引き取ると言い出し、奇妙な愛憎劇と透明なイノセンスが精緻な文章で綴られる。梨花は驚くほど京子に似た少女に成長する。梨花がいつ幸福を感じるのかが語られないのが意味深だ。2015/03/06
まみむ。
1
こわいこわいと感じながらも読み進めてしまう本。面白い。
☆カジュ☆
1
綺麗であること、いつまでも可愛くいること。日々の行動に美学があって凄いなと。きょうこは、男がいないと生きていけないだろうし、男もきょうこを放っておけないだろうな。あの女子力が欲しい。
ねね
0
客観性、女性が魅力的でいるということ.