内容説明
永田培朗は大学時代の友人・柳原、桐島と設立したソフトハウス「プロメテウス」でプログラマをしていた。企業相手のメンテナンスを日常業務としていたが、最大の目標は、自己適応能力と自己複製能力を兼ね備えた人工生命の開発であり、そして、その完成は目前に迫っていると思われていた。そんなとき、プロメテウスに大手ソフト会社から開発資金援助の申し出があり、柳原は甘んじてそれを受け入れるが…。
著者等紹介
幸森軍也[コウモリイクヤ]
1961年、兵庫県生まれ。関西大学商学部卒業。さまざまなかたちで執筆活動を続ける
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感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
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著者・幸森軍也氏は、筒井康隆のファンクラブ「日本筒井党」の会長だったという経歴を持ち、その後、出版会社に就職。1992年に作家デビューしながらも電子書籍の配信サイトを運営されていることから、本作もネット社会を描いた物語。まず読後に感じたことは、"これはホラーですか??"ということで、"むしろSFに分類される作品では??″という印象を受けた。ただKADOKAWAにSFのレーベルがない(もし、有ったらスミマセン)ので、″角川ホラー文庫本"に入れたのでは!?と思う。しかしSF作品としては面白いと思う。2021/04/22
ジャッカル佐崎
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2001年当時のリアルなコンピュータ小説で、今となって見れば常識レベルの知識についても当時の状況を踏まえて詳しく書かれている。ただ本作はSFではあれどホラーではないだろう。360ページ中AIの暴走によるパニックが起き始めるのがラスト70ページ部分のみというのも少々スローモー過ぎるし、「培郎の妻が出産中に病院のコンピューターが!」という展開もお約束過ぎて白ける。第2部をまるまるゲイツやジョブスのコンピュータ立志伝に費やしているのも意味不明。リアリティ重視でエンタメ性がおざなりになってしまった感は否めない。2024/07/15