内容説明
マイワシの漁獲量が約450万トンと、史上最高の大豊漁であった1988年、「イワシは必ず減る」ことを大胆に予測した本書は刊行された。予測どおり、マイワシの漁獲高は奇しくも1988年をピークに減り続け、2000年には15万トンのレベルにまで落ち込む。イワシの豊漁を誰も疑わなかったころに、なぜ言い当てることができたのだろうか?綿密な検討と分析により、「魚種交替」の仮説が確信に変わるまでを鮮やかに描く、サイエンスノンフィクションの傑作、待望の文庫化!新たに描き下ろした「文庫版あとがき」を収録。
目次
第0章 『魚種交替』への序曲
第1章 謎に満ちた魚のロマン
第2章 世界共通の悩み―『魚種交替』
第3章 謎解きへの挑戦開始
第4章 一筋の光明を見る
第5章(終章) イワシと逢えなくなる日
著者等紹介
河合智康[カワイトモヤス]
1936年東京生まれ。農学博士、魚類生態学を柱とする海洋サイエンティスト。東京水産大学を卒業後、水産庁に勤務。1997年退官。魚類の生態や魚類資源の変動をテーマに研究し、その業績は海外にも知られる。とくに、イワシが空前の大豊漁であった1988年に刊行された本書は、その大胆な予測が数年後見事に立証され、話題となった。現在、「21世紀の水産を考える会」代表理事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。