内容説明
「雨の日には雨の中を 風の日には風の中を」これは、数々の言葉を遺した相田みつをが、その生涯でもっとも大切にした言葉です。カンカン照りの日でも、大嵐の日でも、あるがままに歩み続けていけばいい―。太い幹のように彼の強い信念を支えたこの言葉は、未曾有の大不況下に生きるわたしたちの心をそっとあたため、光を放つ道しるべとなってくれることでしょう。大ベストセラー作品集、待望の文庫化。
目次
雨の日には
生きていてよかった
いいですか
たね
水にぬれなければ
遠くからみている
そっとしておく
悔
欠点
無為不待〔ほか〕
著者等紹介
相田みつを[アイダミツオ]
大正13年、栃木県足利市生まれ。書家・詩人。旧制栃木県立足利中学校卒業。旧制中学の頃から短歌、禅に出会い、独特の世界観を書として表現する。昭和59年、『にんげんだもの』出版を機に、多くの日本人の心をとらえ、根強いファン層を拡げた。平成3年12月、67歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maimai
33
偉大な詩人である相田みつをさんの詩が沢山連なっています。印象に残ったのは「風雨に耐えただけ土の中に根が張るんだな」です。苦しい思いや批判を浴びてきて辛い思いをしてきた人はそれだけ根の心が強くなる。大きな木へと成長するためには弱い根では折れてしまいますからね。辛い思いや苦しい思いはすべて自分のために必要なこと。僕も風雨にさらされても微動だにしない木に成長したいです。2016/04/03
大泉宗一郎
6
みつをさんという方は謙虚な方で、自分が恥ずかしいと思うことでも正直に描いてしまいます。「ああ、恥ずかしい、恥ずかしい」としきりに言っておられるのですが、人間やってる以上は、誰もが身について仕様がないと思われる嘘や見栄などを持つ自分を非難しているのですが、「相田みつをってだらしがねえ奴だな」と、ともに非難できるような人がこの世の中には何人いるのか、自分のことも非難されているようで、人間として身が引き締まる思いにさせられました。自分に自信がなくなったら、この本のページをめくるのもいいですね。2013/05/26
二度寝好き
3
冒頭にある『わたしは一生迷える凡夫のままでいい うそかけひきのない自分自身の いのちを完全燃焼してゆけば それでいい』←これが…けっこう、むずかしい(汗)2012/07/23
nyantamaru
3
一番好きだったもの。ある日自分へおまえさんないま一体何が一番欲しいあれもこれもじゃだめだよいのちがけでほしいものをただ一ツに的をしぼって言ってみなみつを俺は今命をかけて何が一番欲しいのだろう?欲しいのは下らないものばかり。まず探してみよう。何が欲しいのか。2011/12/02
佐保(さほ)
3
文化出版局の『本気』より、少し好き。でもやっぱりどっちも好きかな。やさしい言葉だけど、自分を見つめるというのは凄く難しいこと。厳しく仕事をしてこられたんだろうな、と、思う。下の方々のように、私も【コマ】とか【水にぬれなければおよげませんよ】とかに衝撃を受けましたが、こんな言葉は厳しくないと出てきませんね。2010/11/08