内容説明
どこにでもいる普通の人々、あたりまえの日常生活が私の周りで少しずつズレていく。してもいないミスをあげつらう“いい人”と評判の同僚。自分はアイドルの恋人だと言い張る子持ちの友人。顔も思い出せないのに恋人だと手紙を送ってくる男。狂ってしまったのは私なのか。それとも周りの人々なのか。現実と虚構の狭間から滲み出す狂気を描いたサイコ・ホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
6
みな少しずつずれた軸しか持ち合わせていない。だから、きっかけがあれば壊れてゆく。そうならないように、心の花園にしがみつく。逆に、その花園を踏み荒らす対象をどんな手段を使ってでも、排除しなければならない。そんな女同士のオソロシイ関係は、『乙女の密告』に似ていると思った。また、同居人が読んでいた新潮4月号の『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』(宮沢章夫)の社会との関わりの中で壊れていく様にも似ていた。さらに壊れたままで、自分と回りとの距離がつかめない日常が、『杳子』(古井由吉)だろう。2011/05/31
うりぼう
6
私は、壊れてる人。2001/06/20
No.7
4
途中で書くのが面倒くさくなったのでしょう。2019/08/09
うさこぺ
4
こういう危うい人いるかもな、自分も境界は危ういのかもな、と思って読んでいたので結末には本当に驚き、本を閉じながらことの顛末をしばらく考えてしまいました。結局どこまでが現実で真実なのかいまだにわかりません。2016/12/01
鑑真@本の虫
4
なんだか君の悪い小説だな、と思いながら、読み進める。 誰もが持つ、夢見る花園。 それは少しずつずれた軸の中で織りなされ、ひそかに狂っていく。 ラストは、最悪。 どこからが真実なんだろうか。2013/10/14