内容説明
おんな(女)ほんものの女は所謂女らしさをきっぱり棄てて、なお美しいひと。おとこ(男)ほんものの男は男であることを断固引き受け、なお哀しいひと。「あ」から「わ」まで、さまざまな情景と想い出に彩られた四十四語を選び出し、毒の利いたスパイスと独自の解釈をくわえたエッセイ集。作家・柳美里が極私的世界から導き出した、読者の常識を覆す画期的“国語辞典”。
目次
あいかぎ(合鍵)
インド(印度)
うそ(嘘)
うわさ(噂)
えきしゃ(易者)
おんな(女)
おとこ(男)
かう(飼う)
きしゃ(記者)
きょうし(教師)
くつ(靴・沓)
けっこん(結婚)
こうたいし(皇太子)
さけ(酒)
しゅうち(羞恥)
すっぱだか(素っ裸)
せいよく(性欲)
ぞく(俗)
たべる(食べる)
ちぶさ(乳房)
つま(妻)
でんわ(電話)
どうせいあい(同性愛)
なまえ(名前)
にげる(逃げる)
ぬすむ(盗む)
ねこ(猫)
ノル(乗る)
は(歯)
ひみつ(秘密)
ふたり(二人)
へい(塀)
ぼうし(帽子)
まくぎれ(幕切れ)
みみ(耳)
むいちもん(無一文)
めんかい(面会)
もうそう(妄想)
やきゅう(野球)
ゆき(雪)
よくぼう(欲望)
ラーメン
り(利・離)
ルンペン
れい(霊)
ろうか(廊下)
わかれ(別れ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
月讀命
52
【電話】付加機能を加えれば加えるほど、コミュニケーションとしての道具から遠ざかって行く。(P,79)【塀】昔、多くの家と家の間に塀があった。いま、塀のある家は減少し、ひととひとの間に強固な塀ができた。(P,119)・・・鋭い観察力で物事を捉える。あ・【合鍵】、い・【印度】、う・【嘘】・・・・・など、この私語辞典には44の日本語の単語を、その言葉に含まれる深い意味を私的感覚で表現してる。彼女の年齢の割にあまりに豊富な経験と研ぎ澄まされた感性で、物事をクールに客観的に書き綴った私的感覚によるエッセイ集である。2013/10/17
BB
6
柳美里ハマり時代に
kera1019
3
「皇太子」「俗」「塀 」辺りの密かな楽しみが面白かった。個人的には「羞恥」での恥ずかしくて顔見知りになった店に行きにくいっていうのはすごくよくわかります。2013/12/10
kemonoda
3
柳美里版「悪魔の辞典」という感じのエッセイ集・・・かな?「悪魔の辞典」といえばアンブローズ・ビアスなわけですが、読みたい読みたいと昔から思いつつ実は結局読んでいない。久しぶりの柳美里さん、ショートエッセイなので、気軽に楽しく読みました。2013/08/13
みずいろ
3
辞書的な意味合いだけでは成り立ちようがないのが言葉というものだ。その人個人の経験に裏付けされた「私的な言葉」、それが文章に重みを与える。人は言葉とともに生きているんだなと実感させられる作品。「雪」という言葉が「もしかしたら、私の一族には雪女の血が流れているのかもしれない」という最後の一言につながっていく様が素晴らしい。2012/12/29




