内容説明
母から娘へと受け継がれ、嫁しても変わることのない「をんな紋」。女が自分を殺し、家のために生きねばならなかった時代、この小さな紋が彼女たちの矜持を支えていた。何があろうとも女たちの絆と誇りは侵されることなく、永遠に守られると…。時は昭和十九年に移り、太平洋戦争は混迷の一途にあった。播磨の一地方で、大店のお家はんとして平穏に暮らす柚喜、そしてその家族の人生も、激流の只中に巻き込まれていく。女三代の血脈を描いた『をんな紋』感動の完結編。
著者等紹介
玉岡かおる[タマオカカオル]
兵庫県三木市生まれ。神戸女学院大総合文化学科卒。2年間の教師生活を経て、執筆活動に。’87年、処女小説『夢食い魚のブルー・グッドバイ』で神戸文学賞を受賞。現在、加古川在住
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感想・レビュー
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キムチ
2
読む進んでいくとやはりというか「お家さん」の踏襲を禁じえない。この人はこういう系統だろうか・・家を守る女性を描いて、そこで魅力を感じさせたいのか、あるいは苦労を感じ取ってほしいのか・・2011/10/15
renren
2
三部作を一気に通読。胸が揺さぶられ、苦しいような感情が胸に満ちる。不条理が日常の世界で、強さや努力、忍耐さえもが周囲を傷つける。時代を描き、人を描いた秀逸な小説。異見はあるだろうが、私はひたすら柚喜さんに感情移入したな。なにがあるにせよ、己の命を消すことで回りに(結果的にせよ)復讐することには同意できない。2009/11/09
ゆみちゃん
1
サイコロの『一の裏は六』…人生は何が起こるか分からない、『今日よりは多い目(良い日)となる明日を信じて散らずに生きる。』あらがうことの出来ない大きな波に飲まれそうになることや絶望に負けそうになる日もあるかもしれないがそれでも生きていくのが人生。三部作、どの人物描写も素晴らしくのめり込み一気に読み終えました。2012/04/04
kazu@十五夜読書会
0
ハードカバー読了済み(文庫もダブル登録で、共読本に反映させる)
ひろちゃん
0
B+2009/03/25