出版社内容情報
バンド・ブームで世に出たが、ロックとはいえない活動を強いられ、ギタリストの中島は酒と女に逃避する空虚な毎日を送っていた。そのうちブームも終焉に……本物のロックと真実の愛を追い求める、男の叫び。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
56
本物のロックと真実の愛を求め続けるギタリスト中島。24歳「アイデン＆ティティ」と続編27歳「マリッジ」が収録。中島にだけ見えるディラン、ジョン＆ヨーコが登場し、実際の訳詞も載っている。本当のロックとは？愛とは？みうらじゅんさんと同年代の私には深く突き刺さる。みうらじゅんさんの本質が垣間見られる作品。2017/11/18
ちぇけら
24
拙いけれど歌わせてくれないか。恥ずかしいけれど聞いてくれないか。愛しているんだ。この言葉を伝えるために、メジャーコードだけを弾くよ。伝えたいという思いばかり募って、うまく伝えられない気がするよ。ぼくはいつまでも不完全で、弱さの塊みたいなもの。お酒を飲んで、会ったばかりの女の子にも、ベッドの上で簡単に言ってしまうんだ。同じ言葉でも、こんなに重さが違うんだね。ぼくは伝えたいんだ。本当は君だけに。君だけに愛していると伝えたいんだ。だから歌うよ。誰が何と言おうと、君がいるから僕は、正真正銘のロックでいられるんだ。2019/10/25
とある内科医
21
映画も観た。愛とは？ロックとは？ 読んでいる間はずっと、ディランのハーモニカと、麻生久美子さんが発する「キミ」という音が頭の中で鳴り続けていた。2022/06/11
ふろんた
18
本物のロックを探求するもバンドブームの真っただ中で思い描くロックになり切れず逡巡する中島。ちょっと青臭い話なんだけど、共感できるし、こういう部分があるから自分はみうらじゅんを気に入ってるんだろう。2018/05/18
マツユキ
12
バンドブームでデビューしたものの、こんなのロックじゃない、と悩む中島にだけ見えるボブ・ディランが現れ…。ジョン・レノン、オノ・ヨーコも出てきます。彼らの歌が、中島を導く。女性にだらしなく、悩みがち、急に怒鳴る事もあり、困った人ではあるんですが、良い人だというのも分かる。理解者である恋人との関係は、どうなんだろうと思ったら…。なるほど。ロックとは。愛とは。答えは出ませんが、色んな考えがある中、負けずに歌う中島がかっこ良かったです。作品に登場した曲、聴きたい。映画も観たい。幻、どうなってるんだろう。2020/02/15
