感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大泉宗一郎
4
映画『アラビアのロレンス』で有名なロレンス大佐の友人であり詩人の著者が、大佐の存命中に書いた伝記。当時、”英雄”ロレンスの尾ひれの付いた冒険譚が広まり、それに対抗するためか、抒情的な描写を抑え、淡々と事実のみを羅列していく。重大事をさらりと記述するために集中して読まないと読みこぼしてしまううえに、ある程度の予備知識を要するため、初心者にはオススメできない。英国の三枚舌外交によって、アラブの独立を主導しながらそれを果たせないことを承知していたロレンスの分裂した心情についてもう少し触れてほしかったところ。2025/07/03
あきひと
1
アラブ独立の戦いに身をゆだねたロレンスの前半生。映画のようなドラマチックな展開を創造していたが、淡々と飾りのない文章で歴史背景からロレンスの人物紹介、トルコとの闘い、独立までを綴っている。部族単位で動くことを基本として、大きな組織やリーダーがいないアラビア人に、仲間として認められたロレンスというのは、どんな人だったのか、読み取り切れないまま読了。しばらく本棚に置いておこう。2021/01/16