内容説明
国が独立存亡の危機にあった明治維新直後、福沢諭吉が、おおいに学問をしようと人々を励ましベストセラーとなった名著。近代国家へと邁進するなかで、近代人としての生き方を示唆したアドバイスは、国際化の進んだ現代にあっても、求められる日本人の姿を教えてくれる。
目次
学問をすれば、誰もが賢人になれる
才知と徳行を磨け
世界中すべての国の権義は平等
国の独立は民間事業の振興から
国民の独立心こそが文明の精神
国法は、なぜ貴いか
国民は、政府とどう対応すべきか
自分の考えで他人を束縛してはならない
未来へ文明の恩恵を遺そう
艱難に耐えて学問に励もう〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
78
福沢諭吉39歳の明治7年に発刊。中津で育ち封建社会に生きた父に僧侶を薦められるも、大坂の緒方洪庵適塾で蘭学を学び、江戸で英語を英蘭辞典で独学で習得し、万延元年1860年に咸臨丸でアメリカへ行き、明治元年までに3回も遣欧する。明治4年の廃藩置県に触発され、人々の意識を変えようと17篇に及ぶ本書はそれぞれ薄い冊子から成り、340万部は売れたとされる。忠臣蔵や楠木公を批判した件などの思想も織り交ぜて、新しい時代への学問を説く気概に満ちた文章は、明治という時代が若者によって作られていく過程を見ているように感じた。2020/12/30
優希
53
言わずと知れた明治時代のベストセラーですね。現代にも通じる事柄が多く、個人的にも学びの大切さを教えてもらったような気分です。啓蒙家であり教育家でもある諭吉先生だから書けた学問書だと思います。2023/06/15
優希
44
明治時代のベストセラーでありながら、現代にも通じることが多いと思います。啓蒙家であり、教育者でもあるから語れる学問に関する論文は諭吉先生だからこそ書けたものだと思います。何故学問をするのか考えさせられますね。2024/03/12
シ也
36
みんな大好き諭吉(違う)... と言う程度だった福沢諭吉。さすがにそれはまずいと言うことで現代語訳されているこれを手に取ったが、内容のすごさに驚く。ちょうどEU離脱か否かが騒がれていたので、ナポレオンの革命についての考察には唸らされてしまった。友人についての部分などは特に興味深く、今度は現代語訳では無い本来の学門のすすめを手に取りたいと思う2016/06/26
碧海いお
12
14編と17編の言葉が刺さりました。明治に書かれたものみたいですが、現代に通じるものがあります。元々は教育向けに書かれた言葉みたいですが、労働をしてから初めてわかることまで書かれている。2024/07/10
-
- 和書
- 楽土紀伊半島