内容説明
ペレストロイカが進むソヴィエトで復権が噂されるトロツキーが二年の歳月をかけて執筆した本書は、帝政ロシアの顛落に始まるロシア革命の本質を明らかにした他に類を見ない感動的な革命の絵巻物である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フンフン
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遅れたロシアの革命が、なぜブルジョア革命で終わらず、プロレタリア革命に転化したのか、が本書の主題と言っていい。だが、問題はそこにはない。問題は、穏やかに発展を遂げることができる国と、動乱が起きてしまう国とは、どこが違うのか、というところにある。それは国民の間に法治の精神が行き渡っているかどうかにある。法治主義が行き渡っていない国では専制政治以外に治安を保つことができないのである。われわれはフセイン打倒後のイラクに、その実証を現に見ている。帝政を倒しても、結局専制政治以外、ロシアでは不可能だったのだ。2017/05/14