内容説明
「アーチャー、刑務所へ」―。二〇〇一年七月十九日、衝撃のニュースが世界中を駆け抜けた。世界的ベストセラー作家にして元英国下院議員ジェフリー・アーチャーが偽証罪に問われ、四年の禁固刑を言い渡されたのだ。だがこの男、転んでもただでは起きない。刑務所へ送られたアーチャーは、過酷な刑務所生活を自ら克明に綴って発表、本は瞬く間にベストセラーに。全英で大きな波紋を呼んだ衝撃作、遂に文庫で登場。
著者等紹介
アーチャー,ジェフリー[アーチャー,ジェフリー][Archer,Jeffrey]
1940年生まれ。オックスフォード大学卒。1969年に最年少議員として英国下院入りしたが、1974年に株式投資に失敗して破産、辞職を余儀なくされる。生活費を稼ぐために発表したデビュー小説『百万ドルをとり返せ!』がベストセラーに。その後、数々の世界的ベストセラーを発表。1992年には「アーチャー卿」として叙勲され、一代貴族となった。政治家としては、サッチャー政権時代の1985年に保守党の副幹事長として政界復帰するも、翌年スキャンダルで辞任。そのスキャンダルを報道した新聞社を名誉毀損で訴えて勝訴したが、1999年に裏工作が発覚し保守党から追放された。2001年に4年の実刑判決を受け、約2年の刑期を務めた後、2003年7月21日に仮釈放された
田口俊樹[タグチトシキ]
早稲田大学文学部卒。英米文学翻訳家。早稲田大学、フェロー・アカデミー講師
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
24
ベストセラー作家で英国上院議員の著者による獄中記。分かり易く軽妙な日記であり、かつ詳細な刑務所リポートである。殺人者や異常犯罪者たちを作家らしい鋭い観察眼で分析していく。恫喝と暴力が横行する中にも、頼りがいのある者や高い能力を持つ者も居て、友情が育まれる。圧巻はドラッグの蔓延を知るくだりと、幼時から残酷な虐待を受けた受刑者の告白である。特に後者は、著者も声を失う程のショックを受ける。又、食事や環境も酷いが、著者の様な自信家は、計画的な自己管理ができない事に強いストレスを感じると知った。2017/07/10
ジュール リブレ
11
Jeffrey Archerのコメディタッチの獄中記。真面目に書いてるのに、なぜか笑えてしまう(^_^) 人生、転落、真っ逆さま、と思えたアーチャー、でもこの後、刑務所で仕入れたネタで稼いでますよね…転んでもタダでは起きない、とは、彼のためにあるような言葉だな。2011/05/19
ひこかつ
6
この人は、フィクションを書いても近未来のことをほぼ正確に書くので、ノンフィクションともなれば???って興味津津でした。相変わらずイギリス風のブラックジョークがちりばめられ、流石!!! にしても、いつも思うのだが、日本人には理解できないのが文盲率の低さ。 現代のイギリスで、サインしかできない大人って・・・。2012/08/26
魔魔男爵
4
地獄の獄中体験と思いきや、人権法がある人権先進国のイギリスの刑務所なので、刑務所の臭い飯食べずに売店で好きな物買って食べてOK、酒は飲めないが煙草は吸える。禁煙権も尊重で喫煙者と非喫煙者は別房。天国? 囚人服も着なくてよいし、他の囚人の独房を訪問して懇談出来るし、人権意識が遅れている地獄の全体主義国家日本を再認識しました。 イギリスの刑務所は懲役作業義務は週3日のみ。残りは教育を受けられる。 懲役作業しないと売店で使える金が減るので、週7日作業してもよいし、3日のみにして残りは大学の通信教育を受けても2014/07/10
mikarin
3
アーチャー久しぶりでした。実家に帰ったときたまたま見つけて何気なく読み始めたら意外と面白くて煉獄篇を図書館にリクエストしてしまった(笑)物書きの方は誰でもそうなのかもしれませんが「転んでもタダでは起きない」ですね。文章を書く才能があるって素晴らしい*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*2014/04/26