内容説明
幼い頃から巧みに多言語を操るほど図抜けた知性を持ち、父王に手中の珠として寵愛を受けたクレオパトラ。だが、王家には常に不穏な影が漂っていた。父王を懐柔しようとする姉テイア、獰猛な姉ベレニケ、王女を操り王家を意のままにしようとする宦官たち…。そして大ローマがエジプトをまさに飲み込もうとした時、王室の骨肉の争いの火蓋は切って落とされ、この国の運命の歯車が、一人の少女の決意と共に廻り始めた!憎しみと裏切りの渦の中で、決して揺るがぬ強さで激しく生き抜こうとした、少女の物語。
著者等紹介
エセックス,カレン[エセックス,カレン][Essex,Karen]
アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。作家、脚本家、ジャーナリスト。チュレーン大学卒業後、映画の製作の仕事に携わりながら、2001年『クレオパトラ1』、2002年『クレオパトラ2』を書き上げる。緻密な史実に基づきながらも既存のイメージを覆し、生き生きとしたクレオパトラ像を作りあげたとして好評を博し、世界11カ国で出版されている
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感想・レビュー
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amethyst@読書
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ローマの将軍を誘惑し支配域の拡大を目論むも、最終的には自死・・・・・・こんなイメージが強いクレオパトラですが、本書では全く別の、1人の生きた女性が描かれています。 王女として生まれ、エジプトの神々を信仰する純真な少女は、ローマの圧力に苦悩する父王や暗躍する義母、姉弟たちに挟まれ、国を守る思いを育んでいく。 頁を捲る度に、こうした彼女の人生を共に歩むようで、懸命に役割を果たそうとする女性の強い意志が伝わってきます。 女王となってからも不遇なクレオパトラでしたが、遂にカエサルとの謁見を迎える所で下巻へ。2023/04/09